質問主意書

第170回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一〇〇号

内閣参質一七〇第一〇〇号
  平成二十年十二月二日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員櫻井充君提出研究開発予算に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員櫻井充君提出研究開発予算に関する質問に対する答弁書

一について

 「科学技術基本計画」(平成十八年三月二十八日閣議決定)において、「日本の未来を切り拓く途は、独自の優れた科学技術を築くことにかかっている。」としており、技術開発は重要であると認識している。
 また、同計画にいう競争的資金(以下同じ。)の目標額については、設定しておらず、国により当該資金の定義が異なるため、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。

二について

 競争的資金の配分時期については、「科学技術の振興及び成果の社会への還元に向けた制度改革について(フォローアップ)」(平成二十年四月二十二日総合科学技術会議基本政策推進専門調査会)において、「平成十九年度における継続課題については、約八十五パーセントの競争的資金制度において、年度開始当初に交付が行われている。しかし、新規課題(資金配分型独立行政法人の運営費交付金等による事業を除く。)については、年度開始当初に交付が行われていないものがいまだ多い」旨が指摘されている。
 また、競争的資金については、それぞれの制度における事務手続を経て執行されるため交付時期は一律ではないが、早期に交付するよう努めているところである。

三及び四について

 政府としては、研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律(平成二十年法律第六十三号)等を踏まえ、競争的資金等の国の資金により行われる研究開発等において、研究開発等に係る経費を翌年度に繰り越して使用することその他の会計の制度の適切な活用を図ることとしている。

五について

 研究者の育成のための国の教育予算については、運営費交付金等の基盤的経費や競争的資金など様々な経費に含まれる形で措置されており、お尋ねについてお答えすることは困難である。

六について

 研究者等の給与が十分であるか否かについては、個別具体の事例に即して判断されるべきものであり、一概にお答えすることは困難である。
 また、政府としては、研究者等の育成のためには、その職務が魅力あるものとなるよう、研究者等の適切な処遇の確保が必要であると認識している。

七について

 文部科学省においては、次代を担う科学技術系人材の育成及び国民の科学に対する基礎的素養の向上の観点から、算数・数学及び理科の指導内容の充実及び授業時数の増加を内容とする小学校学習指導要領(平成十年文部省告示第百七十五号)及び中学校学習指導要領(平成十年文部省告示第百七十六号)の改訂等を平成二十年三月に行ったところである。