質問主意書

第170回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第九四号

内閣参質一七〇第九四号
  平成二十年十二月二日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員紙智子君提出サンルダム建設に係る各種専門家に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員紙智子君提出サンルダム建設に係る各種専門家に関する質問に対する答弁書

一の1について

 お尋ねの「委員名、委員の肩書き、及び委員会での役職」については、国土交通省北海道開発局において、同局旭川開発建設部及び留萌開発建設部のホームページに天塩川魚類生息環境保全に関する専門家会議(以下「専門家会議」という。)の委員名簿を掲載して明らかにしているところである。

一の2及び3並びに二の1及び2について

 専門家会議は、天塩川流域における魚類等の生息環境の保全に向けた川づくり等について、魚類等に関する学識経験や知見を有する専門家の方々の意見を聴取することを設置目的としている。
 これを踏まえ、河川環境分野等の専門家として辻井達一氏に、魚道構造分野等の専門家として山田正氏、安田陽一氏及び妹尾優二氏に、魚類生態分野等の専門家として眞山紘氏、井上聰氏、粟倉輝彦氏及び石川清氏に専門家会議の委員を委嘱した。
 専門家会議の委員名簿においては、各委員の所属等として、これらの専門分野に関する各委員の経歴のうち、委員の委嘱に当たって重視したものを記載している。
 また、お尋ねの「流域生態研究所と㈱エコテックの関係」については、妹尾優二流域生態研究所所長が株式会社エコテックの代表取締役を兼任していると承知している。

一の4について

 お尋ねの「国土交通省及び他の開発局の審議会、委員会、専門家会議等」の意味するところが必ずしも明らかではないが、専門家会議の委員の中には、平成十年度から平成十九年度までの間において、国土交通省設置法(平成十一年法律第百号)第六条に規定する審議会等の委員に就任した者はいない。

一の5について

 お尋ねの「委員名」及び「所属する企業等の名称、所属企業等における役職、常勤・非常勤の別」については、現時点において国土交通省で把握しており、かつ、個人情報保護の観点から支障のない限りにおいてお答えすると、井上聰委員が社団法人北海道栽培漁業振興公社の常勤の技術顧問、妹尾優二委員が株式会社エコテックの代表取締役、辻井達一委員が財団法人日本グラウンドワーク協会の非常勤の理事長及び社団法人北方圏センターの非常勤の理事、眞山紘委員が社団法人北海道栽培漁業振興公社の技術顧問、安田陽一委員が財団法人水利科学研究所の非常勤の理事、山田正委員が財団法人河川環境管理財団の非常勤の理事、財団法人水利科学研究所の非常勤の理事及び社団法人河川ポンプ施設技術協会の非常勤の理事である。
 また、お尋ねの「所属企業等の開発局からの受注実績(件数と総額、うち随意契約の件数、過去十年間の実績年度別)」については、集計の作業が膨大であること及び関係する資料の保存期間が経過しているものもあることから、網羅的にお答えすることは困難であるが、現時点において国土交通省で把握している限りでは、各法人ごとにそれぞれ次のとおりである。
1 社団法人北海道栽培漁業振興公社
 平成十五年度 二十六件(うち随意契約二十六件) 約四億六千七百三十九万円
 平成十六年度 二十五件(うち随意契約二十五件) 約五億二千八百九十二万円
 平成十七年度 二十七件(うち随意契約二十七件) 約五億六百三万円
 平成十八年度 二十八件(うち随意契約二十八件) 約四億七千六百六十五万円
 平成十九年度 十四件(うち随意契約十三件) 約四億二千八百五十六万円
2 株式会社エコテック
 平成十五年度 四件(うち随意契約二件) 約四千四百三万円
 平成十六年度 七件(うち随意契約四件) 約五千五百二十六万円
 平成十七年度 四件(うち随意契約一件) 約三千三百三十三万円
 平成十八年度 十件(うち随意契約五件) 約五千七百十九万円
 平成十九年度 十件(うち随意契約六件) 約五千六百二十九万円
3 財団法人日本グラウンドワーク協会
 平成十五年度 一件(うち随意契約一件) 約八百七十二万円
 平成十六年度 二件(うち随意契約二件) 約八百四十五万円
 平成十七年度 零件 零円
 平成十八年度 一件(うち随意契約一件) 千四百八十万円
 平成十九年度 二件(うち随意契約二件) 約二千六十四万円
4 社団法人北方圏センター
 平成十五年度 二件(うち随意契約二件) 四万円
 平成十六年度 二件(うち随意契約二件) 四万円
 平成十七年度 三件(うち随意契約三件) 約四万円
 平成十八年度 四件(うち随意契約四件) 約九万円
 平成十九年度 二件(うち随意契約二件) 四万円
5 財団法人水利科学研究所
 平成十五年度 四件(うち随意契約四件) 約三万円
 平成十六年度 二件(うち随意契約二件) 約一万円
 平成十七年度 四件(うち随意契約四件) 約二万円
 平成十八年度 三件(うち随意契約三件) 約二万円
 平成十九年度 一件(うち随意契約一件) 約一万円
6 財団法人河川環境管理財団
 平成十五年度 百十一件(うち随意契約百十一件) 約九億二千五百七十五万円
 平成十六年度 九十五件(うち随意契約九十五件) 約十億四千八百二十六万円
 平成十七年度 百二十五件(うち随意契約百二十五件) 約十億四千五百五十一万円
 平成十八年度 百十一件(うち随意契約百十一件) 約九億八千三百五十六万円
 平成十九年度 百五件(うち随意契約百四件) 約九億六千五百三十五万円
7 社団法人河川ポンプ施設技術協会
 平成十五年度 三十五件(うち随意契約三十五件) 約六千五百三十七万円
 平成十六年度 十六件(うち随意契約十六件) 約三千五百五十五万円
 平成十七年度 二十一件(うち随意契約二十一件) 約四千四百六十九万円
 平成十八年度 二十四件(うち随意契約二十四件) 約三千五百十八万円
 平成十九年度 十二件(うち随意契約十二件) 約二千九百六十万円

一の6について

 お尋ねの「委託調査研究、共同研究」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、関係する資料の保存期間が経過しているものもあることから、網羅的にお答えすることは困難であるが、現時点において国土交通省で把握している限りでは、専門家会議の委員の中には、平成十五年度から平成十九年度までの間において、国土交通省北海道開発局が大学等の研究機関に委託した調査及び研究を担当した者はいない。

一の7について

 現時点において国土交通省で把握している限りでは、辻井達一委員が財団法人日本グラウンドワーク協会の非常勤の理事長及び社団法人北方圏センターの非常勤の理事、安田陽一委員が財団法人水利科学研究所の非常勤の理事、山田正委員が財団法人河川環境管理財団、財団法人水利科学研究所及び社団法人河川ポンプ施設技術協会の非常勤の理事である。

一の8及び三の3について

 お尋ねについては、把握していない。

二の3及び4について

 一の2及び3並びに二の1及び2についてで述べたとおり、専門家会議は「公社の請け負った調査事業」等の調査結果について審議するものではなく、これらの調査結果を含む様々な調査結果等を踏まえて国土交通省北海道開発局が検討する天塩川流域における魚類等の生息環境の保全に向けた川づくりの在り方等について審議するものであり、このような設置目的に沿って、適切な人選及び審議が行われたと認識している。

二の5について

 専門家会議は、その運営方針として「座長は、会議の進行上必要があると認めるときは、他の専門家からの意見聴取その他必要な措置を講じることを事務局に要請することができる。」と定めており、他の専門家等との意見交換を適宜行っているところである。

三の1について

 お尋ねの研究者が担当した「調査研究名、研究目的、件数、総額、実施年度」については、調査の作業が膨大であること及び関係する資料の保存期間が経過しているものもあることから、網羅的にお答えすることは困難であるが、現時点において国土交通省で把握している限りでは、次のとおりである。
1 北海道大学大学院清水康行教授 五件 約九百四十七万円
①「平成十五年度北海道大学委託業務(河川事業調査計画委託事業)」 流域における水と土砂の輸送を追跡可能なモデルの開発 平成十五年度
②「河川事業調査計画委託事業」 流域における水と土砂の輸送を追跡可能なモデルの開発 平成十六年度
③「河川事業調査計画委託業務」 洪水時における土砂の流れを追跡可能なモデルの開発 平成十七年度
④「河川流域の水及び土砂の生産・輸送モデルの開発」 洪水時における河道内の土砂輸送や河床変動を予測する数値計算モデルの開発 平成十八年度
⑤「河川における種々のスケールの河床形態を考慮した土砂輸送および河床変動モデルの開発」 河床及び河道形態の発生に関する数値シミュレーションモデルの開発 平成十九年度
2 北海道大学大学院長澤徹明教授 五件 六百五十万円
①「農業用水利用に関する調査研究」 農業用水利用の実態の把握及び水利用をめぐる諸課題に関する対処方針の検討 平成十五年度から平成十九年度まで
3 北海道大学大学院黒木幹男准教授 四件 七百六十二万円
①「平成十五年度北海道大学委託業務(河川事業調査計画委託事業)」 理論と数値シミュレーションによる河口周辺の海域における土砂の移動現象の解明 平成十五年度
②「河川事業調査計画委託事業」 丘陵地に形成される雨裂の特徴並びにその形成及び発達のメカニズムの解明等 平成十六年度
③「河川事業調査計画委託業務」 丘陵地の雨裂の侵食と土砂の生産との関係の解明 平成十七年度
④「丘陵地のガリ侵食と土砂生産に関する調査研究」 流域から河道に流入する土砂の定量的な把握 平成十八年度

三の2について

 お尋ねの「三名の大学教授」の中には、平成十年度から平成十九年度までの間において、国土交通省設置法第六条に規定する審議会等の委員に就任した者はいない。

三の4について

 お尋ねの件については、ホームページ等で公表されているとの事実は、現時点において把握していない。

三の5について

 お尋ねの「共同研究、委託研究」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、調査の作業が膨大であること及び関係する資料の保存期間が経過しているものもあることから、網羅的にお答えすることは困難であるが、現時点において国土交通省で把握している限りでは、国土交通省北海道開発局が大学等の研究機関に委託した調査及び研究の件数及び総額は、平成十五年度においては、二十七件、約二十五億九千四百十八万円、平成十六年度においては、二十九件、約二十四億千四百五十万円、平成十七年度においては、二十六件、約二十一億五千三百八十八万円、平成十八年度においては、十八件、約十七億九千百八十六万円、平成十九年度においては、十八件、約十八億百五十万円である。
 また、お尋ねの「データベース化」の意味するところが必ずしも明らかではないが、国土交通省北海道開発局においては、同局が大学等の研究機関に委託した調査及び研究の成果等を統一的な様式を用いて取りまとめ、同局のホームページにおいて公表するということはしていない。
 なお、国土交通省が大学等の研究機関に委託した調査及び研究の成果については、同省の施策等に反映しているところであり、また、広く活用されることが見込まれるもの等については、公表に努めているところである。

三の6について

 お尋ねの「委員長、副委員長に多額の研究委託」の意味するところが必ずしも明らかではないが、国土交通省北海道開発局においては、三の1についてで述べたような研究目的を達成するために大学等の研究機関に研究を委託しているものである。
 なお、天塩川流域委員会の委員長は、委員の互選により選出されたものである。

四について

 国土交通省北海道開発局において設置する委員会等の委員の人選及び委員に関する情報の開示については、その設置目的等を踏まえて、今後とも適切に行ってまいりたい。