質問主意書

第170回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一三号

内閣参質一七〇第一三号
  平成二十年十月三日
内閣総理大臣 麻生 太郎   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員藤末健三君提出今後の経済連携協定の推進についての基本方針に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出今後の経済連携協定の推進についての基本方針に関する質問に対する答弁書

一について

 我が国としては、平成十六年十二月の第三回経済連携促進関係閣僚会議にて決定された「今後の経済連携協定の推進についての基本方針」に加え、本年六月に閣議決定された「二〇一〇年に向けたEPA工程表」(以下「工程表」という。)を含む「経済財政改革の基本方針二〇〇八」(以下「基本方針二〇〇八」という。)等の基本方針にのっとり、種々の要素を総合的に勘案しつつ、経済連携を推進していく考えである。
 御指摘の米国及び欧州連合(以下「EU」という。)との経済連携協定(以下「EPA」という。)については、基本方針二〇〇八にのっとり、将来の課題として検討を進めていく。また、日米、日EUの経済関係の更なる発展を促すような基盤を整えていく方策は何かについて、民間で行われている議論を踏まえつつ、引き続き真剣に検討を進め、可能なものから、米国、EUとともに準備を進めていく。
 また、日中間のEPAについては、近年の日中経済関係の緊密化にかんがみれば、将来的には一つの可能性ともなり得るが、まずは、日中韓投資協定交渉の早期妥結を目指していきたいと考えている。

二について

 EPA交渉開始に先立ち行われる共同研究会等において、適当な場合には国内総生産増加への寄与等についての概略的な数値分析が行われることもあるが、「経済的利益」や「構造改革」に関する直接的な効果について詳細な数値分析を行うことは困難であると考えている。

三について

 我が国は、「今後の経済連携協定の推進についての基本方針」にのっとり、東アジアを中心とした経済連携を推進すべく、EPAに取り組んできており、既にシンガポール、マレーシア、タイ、ブルネイ及びインドネシアとのEPAが発効し、フィリピン及び東南アジア諸国連合(以下「ASEAN」という。)全体とのEPAも署名が完了しているほか、ベトナムとのEPAは大筋合意に至っている。
 我が国としては、「今後の経済連携協定の推進についての基本方針」及び基本方針二〇〇八にのっとり、引き続き経済連携を推進していく考えであり、先述の国・地域のほか、インド及びオーストラリアとのEPA交渉等を行うとともに、韓国とのEPAについては早期交渉再開に向け、韓国側と積極的に協議を行っていく。

四及び五について

 我が国は現在、基本方針二〇〇八の工程表にのっとり、EPAの推進に取り組んでいる。

六について

 御指摘のような規定はないが、実際の交渉に当たっては、日本政府の交渉団の首席代表を任命するとともに、EPAの各分野ごとに交渉官及び担当官等で構成される交渉チームによって交渉を進めることにより、交渉の迅速化及び円滑化に努めている。

七について

 御指摘のEPA交渉における民間との協力については、必要に応じ、共同研究会等において、学界や産業界からの参加を得るとともに、意見を聴取することとしている。