質問主意書

第170回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一三三号

農林中央金庫の中間決算に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年十二月十七日

藤末 健三   


       参議院議長 江田 五月 殿



   農林中央金庫の中間決算に関する質問主意書

 本年十一月二十七日に公表された農林中央金庫の中間決算における資産の評価損について、金融関係者や報道機関などによる試算が行われており、公表された評価損は、過小評価されているのではないかとの指摘がなされている。これを踏まえて以下質問する。

一 中間決算の中で公表された評価損は、過小評価されているのではないかとの指摘がある中で、農林中央金庫は、必ずしも金融に詳しくない傘下の農協などに増資を依頼する前に、証券化関連資産と通貨スワップの含み損の実態と今後の見通しなどをきちんと関係者に説明し、増資に応じる投資家へのリスクに対する説明責任を果たすべきと考えるが、そのような指導を主務大臣はきちんと行っているのか。政府の見解を示されたい。

二 現状では農林中央金庫に対し農林水産省と金融庁が同時に検査に入っている。しかし、農林中央金庫の理事長に農林水産省での職務経験がある者が就任していることを踏まえれば、検査の信頼性を保つためには金融庁単独で検査を行うべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 また先日成立した改正金融機能強化法において、農林中央金庫が資本注入の対象となったが、資本注入の必要性の適切な判断、預金者保護、出資者保護の観点から今後の保有含み損の拡大の可能性や評価方法について農林中央金庫自らが積極的に開示すべきと考える。主務大臣は農林中央金庫に対し、その点を指導するとともに、きちんと検査すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

四 公表された農林中央金庫の中間決算の内容は、十月二十八日に企業会計基準委員会により発表された会計実務指針における評価方法の緩和(理論価格の採用を容認)とその遡及処置に基づいて算出されたものと理解している。農林中央金庫は、その利益かさ上げ効果を積極的に享受するならば、開示もしっかりと行い、新しい指針による計算と同時に旧基準での計算を開示するのが、農林中央金庫の公共性に鑑みてものぞましいと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。