質問主意書

第170回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一二二号

サンルダム建設に係る各種専門家に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年十二月四日

紙 智子   


       参議院議長 江田 五月 殿



   サンルダム建設に係る各種専門家に関する再質問主意書

 先に提出した質問主意書に対する政府答弁書(内閣参質一七〇第九四号)には、疑問点や答弁されていない項目があるので、再度以下のとおり質問する。

一 国土交通省審議会等における各種専門家委員の歴任・兼任について

 天塩川魚類生息環境保全に関する専門家会議(以下、「専門家会議」という。)委員もしくは天塩川流域委員会委員であって、国土交通省もしくは北海道開発局(以下、「開発局」という。)が主催する他の審議会・委員会等委員を歴任・兼任する委員は、各委員ごとにその審議会等の名称及び委嘱年度を示されたい(過去十年分)。
 なお、審議会・委員会等とは国土交通省設置法第六条に規定するものに限定せず、国土交通省、開発局及び各開発建設部が主催したものすべてを対象とする。
 例えば、国土交通省が私に提出した資料「平成八年度から一七年度に北海道開発局が主催した委員会・懇談会等(個別事業の推進に係るもの)」には、本局の「北海道地方ダム等管理フォローアップ委員会」「環境に係る情報協議会」をはじめ、十一の開発建設部の各種「事業評価専門委員会」「検討委員会」「懇談会」「技術検討会」「自然再生協議会」「整備委員会」等々が多数示されており、これらは当然対象となる。
 また国土交通省設置法第六条に規定する社会資本整備審議会でいえば、河川整備基本方針検討小委員会等、すべての部会、小委員会まで含むという主旨である。

二 各種専門家の現職名の公表について

1 専門家会議副座長の粟倉輝彦・元北海道立水産孵化場長は現在、株式会社北開水工コンサルタントに所属すると承知しているが、同社は開発局の事業を受注しているのではないか。また副座長の同社における役職名、常勤、非常勤の別を示されたい。
2 同社の開発局からの事業受注実績の件数、そのうち随意契約件数、契約金額を年度ごとに示されたい(過去十年分)。
3 これまで国土交通省への資料要求や前回の質問主意書で、専門家会議委員の中で開発局から受注実績のある企業・公益法人に所属する委員名、契約実績を質してきたが、これまでの回答・答弁には副座長に関する事実が記載されなかったのはなぜか。
4 前回答弁書は専門家会議委員を「魚類等に関する学識経験や知見を有する専門家」としているが、委員八名のうち北海道庁職員一名を除く七名全員が開発局からの受注企業・公益法人、即ちダム事業等で利益を得る企業・公益法人に所属していることは、専門家としての知見を聴く上で不適切ではないか。
5 前回答弁書によれば、委員名簿における各委員の所属等は「これらの専門分野に関する各委員の経歴のうち、委員の委嘱に当たって重視したものを記載している」ということだが、即ち国土交通省は委員の現職名を公表することを否定しないと解してよいか。
 事業者である開発局だけでなく、ダム事業に関わるすべての利害関係者が委員の適格性を総合的に判断できるよう、また委員選任基準の透明性を高めるため、委員のすべての現職名、研究履歴を公表すべきではないか。

三 開発局事業を受注する国土交通省所管の公益法人について

1 前回答弁書で、専門家会議の辻井達一座長を含む委員三名が国土交通省所管の五公益法人の役員を兼任している事実と当該公益法人の受注実績が初めて明らかになった。これまでの資料要求に対し、国土交通省が回答したのは北海道庁所管の公益法人と企業の一部であった。開発局と過去五年間に五十億円もの契約実績をもつ財団法人河川環境管理財団をはじめとする五公益法人に委員が所属している事実を、国土交通省はなぜこれまで明らかにしなかったか。
2 開発局は委員選任の際、座長らが国土交通省所管公益法人に所属する事実を確認していなかったのか。仮に確認していた場合、選任を見送ったか。
3 国土交通省所管の財団法人日本グラウンドワーク協会、社団法人北方圏センター、財団法人水利科学研究所、財団法人河川環境管理財団、社団法人河川ポンプ施設技術協会への国土交通省からのいわゆる天下り、即ち国土交通省離職職員の再就職について、氏名、年齢、国土交通省における最終官職、離職年月日、再就職法人における役職名、再就職年月日、常勤、非常勤の別、人事院承認の有無を各法人ごと、年度別に明らかにされたい(過去十年分)。
 またそれら法人における理事長、理事らの役員報酬年額、退職金額を常勤・非常勤の別に示されたい。

  右質問する。