質問主意書

第170回国会(臨時会)

質問主意書


質問第八七号

日本船がCIAの工作に使われたという報道に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年十一月十日

喜納 昌吉   


       参議院議長 江田 五月 殿



   日本船がCIAの工作に使われたという報道に関する質問主意書

 英日曜紙オブザーバーが本年十月二十六日に関係者の証言を基に報じたところによると、一九六四年十月のある日の真夜中、ロンドンのテムズ川を河口に向かって航行していた東ドイツ(当時)船籍の貨物船マグデブルク号に、上流に向けて時速十ノットの高速で航行中だった日本の貨物船「ヤマシロ丸」が激突したが、「ヤマシロ丸」を東独船に衝突させたのは、米国の諜報・謀略機関である中央情報局(CIA)だった。東独船はキューバ向けの英レイランド自動車製のバス四十二台を積んでいたが、キューバを敵視する米政府の政策に沿ってCIAが工作したという。
 この報道された過去の事件について以下、質問する。

一 日本政府は一九六四年当時、この事件の発生を承知していたか否かを明らかにされたい。

二 先月のオブザーバー紙の本事件に関する報道の存在を承知しているか否かを明らかにされたい。

三 「ヤマシロ丸」がどのような船であるか、調査したことがあるか、明らかにされたい。

四 調査していないのならば、直ちに「ヤマシロ丸」について建造年月日、船体、持ち主、CIA用船になった経緯、その仲介者などを詳しく調べ、同船が現在どうなっているかも併せて明らかにされたい。

五 「ヤマシロ丸」がCIAに使われていた事実を承知していたか否かを明らかにされたい。

六 CIAが他にも使った日本船があったか否かを明らかにされたい。

七 オブザーバーの今回の報道を受けて、政府は事実関係の確認作業を含め調査をしているのか否かを明らかにされたい。

八 日本船がCIA工作に用いられるというのは、極めてゆゆしい出来事である。オブザーバーが今回報道した事件を含めて、日本船がCIA工作に使われていたということについて、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。