質問主意書

第170回国会(臨時会)

質問主意書


質問第七五号

米軍軽飛行機墜落事故に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年十月二十九日

糸数 慶子   


       参議院議長 江田 五月 殿



   米軍軽飛行機墜落事故に関する質問主意書

 平成二十年十月二十四日(金)十八時三十五分頃、嘉手納エアロクラブ(米空軍の組織)所属のセスナ機一機が沖縄県名護市真喜屋のサトウキビ畑に墜落、炎上した。この米軍軽飛行機墜落事故について、以下質問する。

一 防衛省は「不時着」とし、沖縄県警は「墜落」としているが、防衛省は、事故に対する認識が甘いのでないか。

二 平成十六年に沖縄国際大学で起こったヘリ墜落事故でも沖縄県警の捜査(警察権)は及ばなかった。今回の墜落事故も、沖縄県警の警察権が及ばないのはなぜか。明確な回答を求める。

三 事故原因は、燃料切れと言われているが、米軍側は当初、奄美空港で燃料を補給したと説明、燃料切れを否定した。その後、奄美空港では燃料の補給は行っていないと発表している。このような説明の食い違いが起こった理由について政府は、承知しているか。

四 日米地位協定十七条十項(a)及び(b)に関する合意議事録によれば、米軍の施設・区域の内外を問わず、米軍側の同意があれば、墜落機の差し押さえが可能である。米軍が事故原因の究明に欠かせない墜落機の差し押さえに応じない理由について政府は、承知しているか。
 また、同項(b)は、米側に軍事警察の使用を認めているが、かかる軍事警察の使用は、「必ず日本国の当局との取極に従うことを条件とし、かつ、日本国の当局と連絡して」なされるべきこと、並びに「合衆国軍隊の構成員の間の規律及び秩序の維持のため必要な範囲内」に限られるべきことが規定されている。今回の墜落事故について、日米間でどのような取極がなされたのか、説明されたい。

五 事故のたびに、日米地位協定が問題になり、今回の墜落事故においても日本側の警察権は行使できず、墜落機の差し押さえができなかった。このような点からも日米地位協定は抜本的に改正をすべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

六 今後の事故調査はどのように行われるのか、説明されたい。政府としては、運輸安全委員会による調査を行う考えは、あるのか。

七 今回の墜落事故では、サトウキビ畑の焼損被害と電線切断による停電が起こっているが、損害の補償はどのように行われるのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。