質問主意書

第170回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五五号

メタボリック症候群健診に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年十月十五日

藤末 健三   


       参議院議長 江田 五月 殿



   メタボリック症候群健診に関する質問主意書

 本年四月から生活習慣病予防対策としてメタボリック症候群特定健診・特定保健指導が開始された。
 この制度に対しては開始以前から様々な問題が議論され、メタボリック症候群の基本的な判断基準となるウエストサイズや特定健診で定められた受診勧奨判定値の基準などが問題となっていた。また、制度開始後も、健診実施率や結果改善向上が企業健康保険・国民健康保険、政府管掌健康保険の保険者の義務と規定されていることから、受診率などが低い保険者に対しては後期高齢者医療支援金を削減するペナルティがかせられることになり、各保険者は対応に苦慮している。
 このような状況を踏まえ以下質問する。

一 本年四月から開始された特定健診の受診者数・受診率、特定保健指導の指導数・指導率は現在どのような状況になっているか、具体的に示されたい。

二 特定健診の診断基準は、五千六百万人の対象者に対して、ごく少数のデータをもとに作成されたと言われている。日本人の半数近くの人が対象となるような場合、通常数万人レベルのデータを集めるべきと考えるが、どの程度のデータをもとにして基準を作成したのか、具体的に示されたい。また、今後基準を見直す用意があるか、政府の見解を示されたい。

三 特定健診における男性の腹囲基準である八十五センチメートルは日本人男性のほぼ平均値と言われているが、ある健診協会が、受診者データにこの診断基準を当てはめたところ、五割が「医療機関の受診が必要」となったという。これでは逆に病人を増やし医療費が膨らむことにならないか、政府の見解を示されたい。

四 特定健診では目標値の設定とともにその達成が義務となっており、メタボリックシンドローム該当者及び予備軍の減少率や特定健診の受診率の低い保険者には、後期高齢者医療費の分担金を多く負担しなければならない制度となっている。ある新聞社の調査では国民健康保険を運営する市町村の八割以上が財政負担覚悟で保健指導を無料化し、受診率向上に躍起になっている実態が明らかになっている。政府は、このような実態を把握しているか、見解を示されたい。

五 前述のとおり、この制度には診断基準や医療費削減などに対する疑問点があることから、早急に見直す必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。