質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第一九三号

内閣参質一六九第一九三号
  平成二十年六月二十四日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員福島みずほ君提出出入国管理及び難民認定法第二十六条と市民的及び政治的権利に関する国際規約第十二条の抵触問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出出入国管理及び難民認定法第二十六条と市民的及び政治的権利に関する国際規約第十二条の抵触問題に関する質問に対する答弁書

一について

 市民的及び政治的権利に関する国際規約(昭和五十四年条約第七号。以下「規約」という。)の解釈については、条約文等の文脈により、かつ、その趣旨及び目的に照らして与えられる用語の通常の意味に従い、誠実に行っており、我が国としては、規約第十二条2及び4にいう「自国」は、国籍国を指すものと考えている。したがって、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二十六条が規約第十二条2及び4の規定に違反するものではないと考えている。
 また、御指摘の最終見解及び一般的意見は、法的拘束力を持つものではなく、規約の締約国に対し、それに従うことを義務付けているものではないと理解している。

二について

 お尋ねについては承知していない。

三について

 現在法務省として資料を有している平成十六年から平成十九年までの特別永住者からの再入国許可申請について調査した結果、不許可とした例は見当たらなかった。

四について

 法務省としては、現行の出入国管理及び難民認定法の下においては、再入国許可制度は必要かつ合理的なものであると考えているが、御指摘の答申等がなされたのは、外国人が再入国許可を申請するためには原則として地方入国管理局に出頭する必要があり、急な出張や一時帰国等に必ずしも十分対応できていない面があると指摘されていること等が一因となっているものと考えており、今後、「規制改革推進のための三か年計画」(平成十九年六月二十二日閣議決定)等を踏まえ、外国人の利便性向上の観点から、再入国許可制度の見直しについて措置することとしている。