質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七四号

内閣参質一六九第一七四号
  平成二十年六月二十四日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員谷博之君提出厚生労働省の「居酒屋タクシー」に関する調査結果と生活保護受給者の通院移送費に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員谷博之君提出厚生労働省の「居酒屋タクシー」に関する調査結果と生活保護受給者の通院移送費に関する質問に対する答弁書

一の1について

 お尋ねについては、現在厚生労働本省(社会保険庁を含む。)に在籍する全職員について、その在籍した全期間(ただし、地方支分部局及び施設等機関については過去一年間)を対象として、聞き取り調査を行ったものである。

一の2から5までについて

 厚生労働省におけるタクシー乗車券(以下「乗車券」という。)の使用については、「タクシー乗車券使用規程準則」(平成十九年九月十一日付け会発第○九一一○○二号厚生労働省大臣官房会計課長通知別添)に基づき、会計区分ごとに定められたタクシー乗車券使用規程により、原則、業務が深夜に及び通常の交通手段により帰宅することができない場合に限ることとしている。
 また、乗車券の取扱責任者を定め、取扱責任者が乗車券に当該取扱責任者名の記入等を行った上で、使用する職員に交付することとし、その際には、使用簿に、使用月日、使用時間、使用者、経路及び乗車券番号を記入することとしている。また、使用金額については、使用した翌日等に可及的速やかに記入することにしている。降車の際には、当該乗車券を使用した職員が乗車券に使用金額、使用日時及び降車地を記入することとしている。
 タクシー会社から請求を受けたときには、支出負担行為担当官が請求明細書及び使用簿により、乗車券が適正に使用されたものであるか否かを点検することとしている。

二の1について

 「医療扶助における移送の給付決定に関する留意点(周知徹底依頼)」(平成二十年六月十日付け社援保発第○六一○○○一号厚生労働省社会・援護局保護課長通知。以下「課長通知」という。)は「「生活保護法による医療扶助運営要領について」の一部改正について」(平成二十年四月一日付け社援発第○四○一○○五号厚生労働省社会・援護局長通知。以下「局長通知」という。)を改正するものではないが、御指摘の記者会見において、厚生労働大臣が、課長通知の発出は、事実上局長通知の撤回と同じような効果を持つ旨の発言を行ったことは事実である。

二の2及び3について

 従来より、通院に要する交通費の負担が医療機関に受診することを阻害するものでない場合は、当該交通費は「移送に必要な最小限度の額」に該当せず、医療扶助の移送費を支給しないこととしており、局長通知の発出によりこの方針を変更するものではない。厚生労働省としては、もとより、局長通知の発出により、必要な医療が受けられなくなるようなことがあってはならないと考えており、今後とも、その趣旨の徹底に努めることとしている。

二の4及び5について

 医療扶助の移送費を給付するか否かについては、福祉事務所において、局長通知で示した一定の手順に従い、個々の事案ごとにその内容を審査の上、判断するものであり、仮に「へき地等」に居住する患者が最寄りの医療機関に電車・バス等により受診する場合であっても、当該受診に係る交通費の負担が医療機関に受診することを阻害しない程度のものであれば、医療扶助の移送費は支給されないものである。

二の6について

 御指摘の「例外的給付」は、国民健康保険の例により支給することが困難な場合に支給されるものであり、厚生労働省としては、御指摘のような「制限列挙的な判断」を行うことのないよう各自治体に対する指導を徹底してまいりたい。

二の7及び8について

 厚生労働省としては、医療扶助の移送費の支給の考え方や手順については、局長通知及び課長通知において示したとおりであり、医療扶助の移送費の支給について、御指摘のように具体的な支給金額の基準を設けることは考えていない。