質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第一四七号

内閣参質一六九第一四七号
  平成二十年六月十七日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員谷岡郁子君提出生物多様性条約第九回締約国会議における日本政府代表団の対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員谷岡郁子君提出生物多様性条約第九回締約国会議における日本政府代表団の対応に関する質問に対する答弁書

一の1について

 平成二十年五月にボンで開催された生物の多様性に関する条約(平成五年条約第九号。以下「条約」という。)のバイオセーフティに関するカルタヘナ議定書(平成十五年条約第七号)第四回締約国会議(以下「MOP4」という。)において、我が国は、現代のバイオテクノロジーにより改変された生物の国境を越える移動から生じる損害についての責任と救済の問題について、生物の多様性の保全及び持続可能な利用への影響に加え、研究、開発の振興、貿易への影響等についても考慮する必要があり、そのためにバランスのとれた制度を構築することが重要であるとの趣旨の発言を行った。

一の2について

 MOP4及び条約第九回締約国会議(以下「COP9」という。)において、我が国は、各国の立場の違いを克服し、バランスのとれた、実効的ですべての関係国にとって有益となるような成果を目指して、関係国との調整に積極的に努めた。

一の3について

 MOP4の開催期間中に、複数の非政府組織との間で、MOP4の主要議題についての議論の経過等について意見交換を行った。

二の1について

 政府としては、条約第六回締約国会議において採択された、二千十年までに生物多様性の損失速度を顕著に減少させるという目標(以下「二千十年目標」という。)の実現に向けて、各国がさらなる努力を行うことが必要であると認識しており、COP9においても、平成二十年五月二十四日から同月二十六日にかけて神戸市で開催された先進8か国環境大臣会合の成果として、二千十年目標の達成とそのフォローアップ等に関し各国にさらなる行動を呼びかける「神戸・生物多様性のための行動の呼びかけ」や、それを受けた我が国の取組等について、鴨下一郎環境大臣より紹介した。

二の2について

 保護地域に関するCOP9の決定案の御指摘の項目については、当初G8各国に対し、次回サミットにおいて生物多様性保全のための資金イニシアティブに着手するよう検討することを要請する内容が含まれていたが、要請対象をG8諸国のみに限定することは適当ではないことから、立場を同じくする国々とともに削除するよう求めた。

三の1について

 我が国は、条約に関して、平成十九年には約百七十九万五千米ドル、平成二十年には約百八十七万五千米ドルを拠出した。右は条約全体の運営予算額の二十二パーセントに相当する。他の主要な条約加盟国の平成十九年及び平成二十年の拠出額並びに総拠出額に占める各国の拠出額の割合は、ドイツが約九十一万三千米ドル及び約九十五万三千米ドルで約十一・二パーセント、イギリスが約六十四万六千米ドル及び約六十七万四千米ドルで約七・九パーセント、フランスが約六十三万五千米ドル及び約六十六万四千米ドルで約七・八パーセント並びにイタリアが約五十一万五千米ドル及び約五十三万八千米ドルで約六・三パーセントである。

三の2について

 我が国としては、条約に基づく活動の効率的な運営を促すとともに、我が国の厳しい財政事情を勘案し、当初条約事務局が提示した予算案に対し、立場を同じくする国々とともに反対の立場をとった。

四の1について

 お尋ねの第四回アフリカ開発会議(以下「TICADⅣ」という。)に参加した各国の環境大臣の人数は七名である。

四の2及び3について

 COP9及びTICADⅣの開催日程については、他の国内外の主要行事の日程及び各行事の関係国等の意向等を踏まえ、調整の上、決定されたものであると認識している。

五について

 御指摘の非政府組織の会議への参加及び発言については、それらの団体が有する知見が締約国間の議論の深化に資する面があると認識しており、政府としては、条約第十回締約国会議(以下「COP10」という。)においても、非政府組織の積極的な参加及び発言を呼びかけたいと考えている。

六の1について

 政府としては、COP10に関心を有する我が国の非政府組織との情報交換や連絡調整に努めてきている。なお、御指摘の「COP10の受入を行う非政府組織」の意味するところが必ずしも明らかではないが、COP10への参加を希望する非政府組織を一元的に支援する非政府組織があるとは承知していない。

六の2について

 COP9においては、COP9の主要議題に関する我が国の考え方等について、平成二十年五月二十四日及び同月二十七日に複数の非政府組織に対する説明を行ったほか、同会議の開催期間中に、随時非政府組織との間で意見交換を行った。