質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第一一二号

内閣参質一六九第一一二号
  平成二十年四月三十日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員紙智子君提出サハリン(旧樺太)少数民族戦没者の戦後補償に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員紙智子君提出サハリン(旧樺太)少数民族戦没者の戦後補償に関する質問に対する答弁書

一の1について

 お尋ねの民族名については把握しておらず、また、お尋ねの氏名を明らかにすることは、個人の権利利益を害するおそれがあることから、答弁を差し控えたい。
 また、御指摘の一名については、その遺族に対して、戦傷病者戦没者遺族等援護法(昭和二十七年法律第百二十七号。以下「援護法」という。)に規定する遺族年金及び弔慰金を支給していた。

一の2について

 シベリアに抑留された者の中に、御指摘の「サハリン(旧樺太)少数民族」と考えられる者であって、その遺族が援護法の規定に基づき遺族年金等を受給していた者が複数名いることを把握している。

一の3について

 「サハリン(旧樺太)少数民族」と考えられる者の旧日本軍従軍について、それを記録した資料の存在を含め、調査を実施したことはない。

二の1について

 御指摘の「サハリン先住民族及びその他の北方民族被抑圧者名簿」と題する名簿の内容及び同名簿中にサハリン州ポロナイスク地区の出身で、ソヴィエト社会主義共和国連邦又はロシア連邦により名誉を回復された者も含まれていることは承知している。また、ポロナイスク地区の関係団体が作成したと考えられる「ポロナイスク地区北方先住少数民族名誉未回復被抑圧被害者名簿」に御指摘の「名誉未回復者」三十三名が記載されていることも承知している。

二の2について

 平成十三年二月十二日付けの北海道新聞に御指摘の記事が掲載されていることは承知している。
 また、厚生労働省社会・援護局業務課資料調査室は、旧日本軍から引き継いだ資料には「サハリン(旧樺太)少数民族」が旧日本軍に従軍したという記録がないとしているが、これは当該従軍の事実までを否定するものではなく、御指摘の信濃毎日新聞の報道と矛盾するものではない。
 お尋ねの調査については、一の3についてでお答えしたとおり、「サハリン(旧樺太)少数民族」と考えられる者の旧日本軍従軍について、それを記録した資料の存在を含め、調査を実施したことはない。

三について

 「サハリン(旧樺太)少数民族」の方々に対しては、今後とも援護法の規定に基づいて遺族年金等を支給することにより、適切に対応してまいりたいと考えている。

四について

 お尋ねについては、御指摘のサハリン戦没者遺族会の要望に沿うような施策の実施は考えておらず、また、同遺族会代表等との話し合いを行うことも考えていない。