質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第一〇八号

内閣参質一六九第一〇八号
  平成二十年四月二十五日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員川田龍平君提出武蔵小金井駅南口第1地区第一種市街地再開発事業についての諸問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出武蔵小金井駅南口第1地区第一種市街地再開発事業についての諸問題に関する質問に対する答弁書

一の1、2及び4について

 武蔵小金井駅南口第1地区第一種市街地再開発事業(以下「本件事業」という。)の1―Ⅲ街区においては、一筆の施設建築敷地である1―Ⅲ棟敷地に、一棟の施設建築物である1―Ⅲ棟が整備されることとなっており、小金井市、東日本旅客鉄道株式会社及び一般権利者が1―Ⅲ棟敷地を共有することとされていると承知している。

一の3について

 独立行政法人都市再生機構(以下「機構」という。)から聴取したところ、1―Ⅲ街区の立体駐車場は、権利変換計画においては、東日本旅客鉄道株式会社のみの共用に供されるべき部分であることを示す「部分共用」として定められているが、当該駐車場については、機構が本件事業の施行者として都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)第百三十三条に規定する管理規約(以下単に「管理規約」という。)を定めることも含めて、区分所有者相互間の調整に努めることを前提に、1―Ⅲ街区全体で利用することを予定しており、これを踏まえて今後予定されている利用方法を示したものとして、計画通知の図面に「1―Ⅲ街区公益施設・商業業務棟の共用駐車場としての利用とする」と記載しているものであるとのことである。

二の1について

 機構から聴取したところ、小金井市議会において、(仮称)市民交流センターに係る債務負担行為の議決がされたことを踏まえ、工事を着工したとのことである。

二の2について

 機構から聴取したところ、お尋ねの事例は把握していないとのことである。また、お尋ねの「覚書」は、小金井市と機構との当事者間の契約行為に関する事項であり、政府としてお答えする立場にない。

二の3について

 お尋ねの「覚書」は、小金井市と機構との当事者間の契約行為に関する事項であり、政府としてお答えする立場にない。

三の1について

 お尋ねの「国土交通大臣が認可した変更事業計画に関するすべての図面(各階平面図、断面図等)」とは、機構が平成十七年七月八日付けで国土交通省に提出した本件事業の事業計画の変更の認可の申請書に係る図面と考えられ、当該図面は、事業計画に定める内容である施設建築物の外壁及び昇降機の位置等の変更を示すものである。
 機構から聴取したところ、お尋ねの「機構が東京都多摩建築指導事務所に提出して確認を受けたすべての図面(各階平面図、断面図等)」とは、機構が平成十八年九月二十六日付け及び同年十二月二十七日付けで東京都多摩建築指導事務所に提出した計画通知に係る図面と考えられ、当該図面は、敷地内における建築物の位置、間取、各室の用途及び床面積等を示すものであるとのことである。
 お尋ねの「平成二〇年三月に機構が国土交通省に提出した再度の事業計画変更申請書(すべての添付図面含む)」とは、機構が平成二十年三月二十六日付けで国土交通省に提出した本件事業の事業計画の変更の認可の申請書と考えられ、当該申請書は、事業計画に定める内容である施設建築物の柱及び廊下の位置等の変更に係る国土交通大臣の認可を申請する内容を示すものである。

三の2について

 平成二十年三月二十六日付けで機構が国土交通省に提出した事業計画の変更の認可の申請書における図面のうち変更が行われたすべての箇所及びその内容をお答えすることは、整理に膨大な作業を要するため困難であるが、都市再開発法施行規則(昭和四十四年建設省令第五十四号)第五条第三項の表に掲げられている事項の変更としては、例えば、施設建築物平面図(1階平面図)における1―Ⅰ街区の柱の位置の変更及び1―Ⅲ街区の外壁の位置の変更並びに施設建築物平面図(地下1階平面図)における1―Ⅱ街区の廊下の位置の変更等があり、同表に掲げられていない事項の変更としては、例えば、施設建築物平面図(1階平面図)における1―Ⅰ街区の植樹桝の形状の変更、1―Ⅱ街区のパイプスペースの形状の変更並びに1―Ⅲ街区の内壁の位置及び形状の変更等がある。

四について

 施設建築物及び施設建築敷地の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項については、建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第三十条に規定する規約(以下単に「規約」という。)又は管理規約において定めるものである。機構から聴取したところ、御指摘の立体駐車場に係る規約又は管理規約は、現時点においていずれも定められていないが、機構が本件事業の施行者として管理規約を定めることも含めて、区分所有者相互間の調整に努めてまいりたいとのことである。

五について

 機構から聴取したところ、御指摘の「念書」は、都市再開発法第七十三条の規定に基づく権利変換計画で定めるべき事項を定めたものではなく、本件事業の権利変換計画の内容に影響を及ぼすものではないとのことである。また、犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づいて個別に判断すべき事柄であるので、答弁を差し控えたい。

六について

 本件事業については、機構から都市再開発法第五十八条第一項後段等の規定に基づき平成二十年三月二十六日付けで事業計画の変更の認可の申請がなされ、同年四月二十四日付けで認可の公告を行ったところである。また、権利変換計画の変更申請に係る手続については、同法第七十二条第四項等の規定に基づき、施行者である機構により行われるべきものである。

七について

 本件事業については、機構から平成二十年三月二十六日付けで事業計画の変更の認可の申請がなされ、同年四月二十四日付けで認可の公告を行ったところであり、都市再開発法に基づき適切に施行されているものと考えられることから、本件事業に対して補助金を支出することは問題ないと考えている。

八について

 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第二十六条に規定する保全異議の申立ては、保全命令を発した裁判所に対してその発令について再審査を求める申立てであり、同一審級における再審理の申立てであるから、保全命令を発した裁判官と同一の裁判官が保全異議の審理、判断をすることは禁止されていない。
 同法第二十九条の規定において、保全異議の申立てについての決定をするには口頭弁論又は当事者双方が立ち会うことができる審尋の期日を経なければならないとされ、同法第三十六条の規定において、保全異議の申立てについての裁判は判事補が単独ですることができないとされるなど、当事者双方に手続保障を与え、慎重な審理を行うことが法律上予定されている。
 また、同法第四十一条の規定により、当事者は保全異議の申立てについての裁判に対して保全抗告をすることができ、これにより、保全命令を発した裁判官と異なる裁判官から構成される抗告裁判所の判断を受ける機会が保障されている。
 以上のような点にかんがみると、保全異議制度に係る同法の規定を改正する必要はないと考える。