質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第一〇七号

内閣参質一六九第一〇七号
  平成二十年四月二十五日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員川田龍平君提出武蔵小金井駅南口第1地区第一種市街地再開発事業についての都市再開発法上の問題点に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出武蔵小金井駅南口第1地区第一種市街地再開発事業についての都市再開発法上の問題点に関する質問に対する答弁書

一の1の(一)、一の2の(一)、一の3の(一)、一の4の(一)、一の5の(一)、一の6の(一)及び一の7の(一)について

 独立行政法人都市再生機構(以下「機構」という。)が定める事業計画においては、都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)第五十八条第三項において準用する同法第七条の十一等の規定に基づき、施行地区、設計の概要、事業施行期間及び資金計画を定めることとされている。お尋ねの「西側外壁」、「北側デッキの階段」、「交流ホール」の外壁、「階高」、「給水施設・電気施設・ガス施設」については、設計の概要として事業計画に定める内容とされているところである。機構が事業計画に基づいて工事を行うに当たり、これらについて当該事業計画の変更の必要が生じた場合には、国土交通大臣の認可を受ける必要があると考えている。

一の1の(二)、一の2の(二)、一の3の(二)、一の4の(二)、一の5の(二)、一の6の(二)及び一の7の(二)について

 お尋ねの武蔵小金井駅南口第1地区第一種市街地再開発事業(以下「本件事業」という。)の1―Ⅲ街区については、機構は、平成二十年三月二十五日より、自主的な判断により工事を停止しているところである。また、機構からの同月二十六日付けの事業計画の変更の認可の申請に対し、同年四月二十四日付けで認可の公告を行ったところである。

一の1の(三)、一の2の(三)及び(四)並びに一の7の(三)から(五)までについて

 都市再開発法第七十二条第四項等の規定に基づき、機構が権利変換計画を変更する場合には、国土交通大臣の認可を受けることとされている。本件事業の権利変換計画について変更を要する箇所については、機構より国土交通大臣に対して権利変換計画の変更の認可の申請がなされるものと考えており、当該申請を受けた段階で、国土交通省として適切に審査を行ってまいりたい。

一の3の(三)について

 機構から聴取したところ、御指摘の階段については、バリアフリー化を図るため、階段とは別にリフトを設置することにより対応するとのことであり、これについては、機構からの平成二十年三月二十六日付けの事業計画の変更の認可の申請に対し、同年四月二十四日付けで認可の公告を行ったところである。

一の5の(三)について

 階高の変更は、都市再開発法第七条の十一等の規定に基づき、事業計画において変更すべきものであるが、事業計画の変更の際に権利変換を受けた権利者に対し説明を行うべきことは同法上規定されているものではない。ちなみに、御指摘の階高の変更については、機構からの平成二十年三月二十六日付けの事業計画の変更の認可の申請に対し、同年四月二十四日付けで認可の公告を行ったところである。

二の1から5までについて

 お尋ねの本件事業に関する都市計画における「壁面の位置の制限」は、道路に面する間口に広狭の差があるものの、いずれも都市計画道路である南口交通広場及びその他の区画道路等に面していることが明らかである上、お尋ねの「壁面の位置の制限」によって生み出された空間は、いずれも敷地内通路及びコミュニティー広場に利用されており、歩行者の回遊性を高める空間の確保並びに賑わい及び交流の場として人々が往来する空間の確保のために利用されていることから、都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第三項第二号チ中の「敷地内に道路に接して有効な空間を確保して市街地の環境の向上を図るため必要な場合における」との文言にも合致しており、適法なものと認識している。
 また、お尋ねの「壁面の位置の制限」は、その起点と反対に位置する他の壁面の位置の制限又は敷地境界線にまで到達しているものの、当該都市計画の道路や建物の位置関係によっては制限の終点が壁面でないこともあり得るため、適法なものと認識している。

二の6について

 二の1から5までについてで述べたとおり、お尋ねの「壁面の位置の制限」は、都市計画法に照らして違法であるとは考えておらず、お尋ねの「同様な壁面の位置の制限の事例」の存在の有無という見地から実態を把握しているものではない。

三の1、2及び8について

 土地の評価については、駅からの距離及び容積率のほか、間口、奥行、形状、道路付け等様々な要因が勘案されると考えている。

三の3について

 機構から聴取したところ、機構は野村不動産株式会社に対して、施設建築敷地(1―Ⅱ棟敷地)三千六百六十六・○五平方メートルのうち共有持分百万分の七十七万二百十七及び施設建築物(1―Ⅱ棟)一万二千八百五・三九平方メートルを譲渡する予定とのことである。譲渡価額については、野村不動産株式会社及び機構の経営情報であり、公表は差し控えたいとのことである。

三の4について

 機構から聴取したところ、本件事業の土地の取得原価及び建設費については、機構の経営情報であり、公表は差し控えたいとのことである。

三の5について

 都市再開発法における「清算」とは、同法第百四条第一項の規定に基づき、同法第百三条第一項の規定により確定した建築施設の部分(以下「従後資産」という。)の価額と、従後資産を与えられた者が従後資産に対応する権利として有していた施行地区内の宅地、借地権又は建築物の価額との間に差額があるときは、施行者が、その差額に相当する金額を徴収し、又は交付することであり、お尋ねの場合については、同法における「清算」を行う場合には当たらないと考えられる。

三の6について

 本件事業の1―Ⅲ街区においては、一筆の施設建築敷地である1―Ⅲ棟敷地に、一棟の施設建築物である1―Ⅲ棟が整備されることとなっており、小金井市、東日本旅客鉄道株式会社及び一般権利者が1―Ⅲ棟敷地を共有することとされている。1―Ⅲ棟敷地が一筆の土地である以上、土地の一平方メートル当たりの単価は、同一であると認識している。

三の7について

 土地の評価については、駅からの距離及び容積率のほか、間口、奥行、形状、道路付け等様々な要因が勘案されると考えており、お尋ねの事例についてお答えするのは困難である。

四について

 本件事業については、機構から都市再開発法第五十八条第一項後段等の規定に基づき平成二十年三月二十六日付けで事業計画の変更の認可の申請がなされ、同年四月二十四日付けで認可の公告を行ったところである。また、権利変換計画の変更申請に係る手続については、同法第七十二条第四項等の規定に基づき、施行者である機構により行われるべきものである。