質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第七五号

内閣参質一六九第七五号
  平成二十年三月二十八日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員松野信夫君提出行政計画に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員松野信夫君提出行政計画に関する再質問に対する答弁書

一及び二について

 お尋ねの「行政権が一定の目的のために目標設定し、その目標を達成するための手段を総合的に提示するもの」であって、その計画期間が複数年度にわたるもの又は計画期間の定めがないもののうち、平成二十年三月二十八日現在その計画期間中であり、複数年度にわたる予算額又は事業費等を定めているものについて、以下に省庁ごとに示す。
 内閣官房については、中期防衛力整備計画(平成十七年度~平成二十一年度)のみである。
 中期防衛力整備計画(平成十七年度~平成二十一年度)は、「平成十七年度以降に係る防衛計画の大綱について」(平成十六年十二月十日閣議決定)に定めた我が国が保有すべき防衛力の水準を達成することを目的として、平成十六年十二月十日に策定したものであり、平成十七年度から平成二十一年度までの間の防衛力の整備を内容とするものである。
 当該計画において定められた防衛関係費の総額の限度は、平成十六年度価格でおおむね二十四兆二千四百億円程度をめどとするものであり、現在、当該計画の枠内で予算を編成しているところである。
 当該計画の実施に係る経費については、一般会計より支出されている。
 文部科学省については、予算額又は事業費等の多い順に示すと、第2次国立大学等施設緊急整備5か年計画及びiPS細胞(人工多能性幹細胞)研究等の加速に向けた総合戦略である。
 第2次国立大学等施設緊急整備5か年計画は、国立大学法人、大学共同利用機関法人及び独立行政法人国立高等専門学校機構(以下「国立大学法人等」という。)の施設の重点的・計画的な整備を支援することを目的として、平成十八年四月十八日に策定したものであり、平成十八年度から平成二十二年度までの間の国立大学法人等の施設整備における基本方針等を内容とするものである。
 当該計画においては、当該計画による整備を行うための所要経費を試算すると、最大約一兆二千億円と推計されるとしており、現在、当該計画に基づき整備を進めているところである。
 当該計画の実施に係る経費については、国の負担及び国立大学法人の長期借入金等からなり、このうち国の負担については、一般会計より支出されている。
 iPS細胞(人工多能性幹細胞)研究等の加速に向けた総合戦略は、我が国のiPS細胞に関する研究等を加速させ、日本全体で戦略的に進めていくことを目的として、平成十九年十二月二十二日に策定したものであり、その計画期間は平成十九年度から平成二十四年度までである。
 当該計画において定められたiPS細胞研究に対する平成二十年度から平成二十四年度までの間の投入予定額は、約百億円であり、現在、日本全体での研究体制の構築等を進めているところである。
 当該計画の実施に係る経費については、一般会計より支出されている。
 農林水産省については、予算額又は事業費等の多い順に示すと、平成十四年六月四日に策定された国営諫早湾土地改良事業変更計画、平成十七年二月二十一日に策定された国営筑後川下流土地改良事業変更計画、平成十八年一月二十三日に策定された国営空知中央土地改良事業変更計画、国営吉野川下流域土地改良事業変更計画及び国営道央用水土地改良事業変更計画である。
 平成十四年六月四日に策定された国営諫早湾土地改良事業変更計画は、土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第八十七条の三第十五項の規定に基づき、複式干拓方式により潮受堤防を設置して、調整池及びこれを水源とするかんがい用水が確保された大規模で平坦な優良農地を造成し、生産性の高い農業を実現するとともに、背後低平地において、高潮、洪水、常時排水不良等に対する防災機能を強化することを目的として策定したものであり、昭和六十一年度から平成十八年度までの間の農地の造成及び潮受堤防の設置等を内容とするものである。
 当該計画において定められた事業費の総額は、二千四百六十億円であり、当該計画に係る事業については、平成十九年度に完了するところである。
 平成十七年二月二十一日に策定された国営筑後川下流土地改良事業変更計画は、土地改良法第八十七条の三第七項の規定に基づき、淡水取水の合理化、農業用水の安定供給及び農地の排水不良の解消を図るとともに、地下水取水からの水源転換により地盤沈下の防止に寄与することを目的として策定したものであり、昭和五十一年度から平成二十三年度までの間の農業水利施設の整備を内容とするものである。
 当該計画において定められた事業費の総額は、千八百四十億円であり、当該計画に係る農業水利施設については、現在その一部を供用しているところである。
 平成十八年一月二十三日に策定された国営空知中央土地改良事業変更計画は、土地改良法第八十七条の三第一項の規定に基づき、農地の生産性の向上、農作業の効率化及び農業水利施設の維持管理の軽減を図り、農業経営の安定及び地域農業の振興に資することを目的として策定したものであり、昭和五十四年度から平成二十年度までの間の農業水利施設の整備を内容とするものである。
 当該計画において定められた事業費の総額は、千三百六十億円であり、当該計画に係る農業水利施設については、現在その一部を供用しているところである。
 国営吉野川下流域土地改良事業変更計画は、土地改良法第八十七条の三第一項の規定に基づき、農業用水の水質改善を図り、営農上の制約を解消するとともに、機能低下した水利施設の機能回復により災害を未然に防止することにより、農地の生産性の向上及び農業経営の安定を図ることを目的として、平成十六年十月二十二日に策定したものであり、平成三年度から平成二十三年度までの間の農業水利施設の整備を内容とするものである。
 当該計画において定められた事業費の総額は、千三百十億円であり、当該計画に係る農業水利施設については、現在その一部を供用しているところである。
 平成十四年六月四日に策定された国営諫早湾土地改良事業変更計画、平成十七年二月二十一日に策定された国営筑後川下流土地改良事業変更計画、平成十八年一月二十三日に策定された国営空知中央土地改良事業変更計画及び国営吉野川下流域土地改良事業変更計画において定められた事業の実施に係る経費については、一般会計からの繰入金及び財政融資資金からの借入金を財源とする国営土地改良事業特別会計より支出されている。
 国営道央用水土地改良事業変更計画は、土地改良法第八十七条の三第一項の規定に基づき、農地の生産性の向上、農作業の効率化及び水管理の合理化を図り、農業経営の安定及び地域農業の振興に資することを目的として、平成十六年六月十一日に策定したものであり、平成七年度から平成二十四年度までの間の農業水利施設の整備を内容とするものである。
 当該計画において定められた事業費の総額は、千二百九十四億円であり、当該計画に係る農業水利施設については、現在その一部を供用しているところである。
 当該計画において定められた事業の実施に係る経費については、一般会計からの繰入金、財政融資資金からの借入金及び北海道の負担金を財源とする国営土地改良事業特別会計より支出されている。
 国土交通省については、予算額又は事業費等の多い順に示すと、第二東海自動車道横浜名古屋線の静岡県駿東郡長泉町東海市間の新設に関する整備計画、昭和四十八年十一月十三日に策定された新幹線鉄道建設に関する整備計画、近畿自動車道名古屋神戸線の亀山市城陽市間の新設に関する整備計画、東関東自動車道水戸線の松戸市市川市間の新設に関する整備計画及び第二東海自動車道横浜名古屋線の海老名市秦野市間の新設に関する整備計画である。
 第二東海自動車道横浜名古屋線の静岡県駿東郡長泉町東海市間の新設に関する整備計画は、高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第五条第一項の規定に基づき、高速自動車国道の整備を図り、自動車交通の発達に寄与することを目的として、平成三年十二月三日に策定したものである。当該計画においては、計画期間の定めはない。
 当該計画において定められた工事に要する費用の概算額は、三兆七千六百十億円であり、当該計画に係る高速自動車国道については、現在一部区間において供用を開始しているところである。
 近畿自動車道名古屋神戸線の亀山市城陽市間の新設に関する整備計画は、高速自動車国道法第五条第一項の規定に基づき、高速自動車国道の整備を図り、自動車交通の発達に寄与することを目的として、平成三年十二月三日に策定したものである。当該計画においては、計画期間の定めはない。
 当該計画において定められた工事に要する費用の概算額は、八千二百九十億円であり、当該計画に係る高速自動車国道については、現在一部区間において供用を開始しているところである。
 東関東自動車道水戸線の松戸市市川市間の新設に関する整備計画は、高速自動車国道法第五条第一項の規定に基づき、高速自動車国道の整備を図り、自動車交通の発達に寄与することを目的として、平成八年十二月二十七日に策定したものである。当該計画においては、計画期間の定めはない。
 当該計画において定められた工事に要する費用の概算額は、七千五百七十億円であり、当該計画に係る高速自動車国道については、現在供用を開始している区間はない。
 第二東海自動車道横浜名古屋線の海老名市秦野市間の新設に関する整備計画は、高速自動車国道法第五条第一項の規定に基づき、高速自動車国道の整備を図り、自動車交通の発達に寄与することを目的として、平成八年十二月二十七日に策定したものである。当該計画においては、計画期間の定めはない。
 当該計画において定められた工事に要する費用の概算額は、七千二百六十億円であり、当該計画に係る高速自動車国道については、現在供用を開始している区間はない。
 第二東海自動車道横浜名古屋線の静岡県駿東郡長泉町東海市間の新設に関する整備計画、近畿自動車道名古屋神戸線の亀山市城陽市間の新設に関する整備計画、東関東自動車道水戸線の松戸市市川市間の新設に関する整備計画及び第二東海自動車道横浜名古屋線の海老名市秦野市間の新設に関する整備計画において定められた工事の施行主体は、それぞれ、中日本高速道路株式会社、中日本高速道路株式会社(亀山市から甲賀市甲賀町までの区間に限る。)及び西日本高速道路株式会社、東日本高速道路株式会社並びに中日本高速道路株式会社であり、これらの工事に係る財源については、これらの会社の民間借入金等である。
 昭和四十八年十一月十三日に策定された新幹線鉄道建設に関する整備計画は、全国新幹線鉄道整備法(昭和四十五年法律第七十一号)第七条第一項の規定に基づき、新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図り、もって国民経済の発展及び国民生活領域の拡大並びに地域の振興に資することを目的として、建設を開始すべき新幹線鉄道の路線に関して策定したものである。当該計画においては、計画期間の定めはない。
 当該計画において定められた新幹線鉄道の建設に要する費用の概算額は、二兆七千九百億円であり、当該計画に係る路線のうち、現在、東北新幹線盛岡・八戸間、北陸新幹線高崎・長野間、九州新幹線新八代・鹿児島中央間については建設が完了し、東北新幹線八戸・新青森間、北海道新幹線新青森・新函館間、北陸新幹線長野・金沢間及び福井駅部、九州新幹線博多・新八代間については建設中である。
 新幹線鉄道の建設に係る経費は、国の予算における公共事業関係費及び全国新幹線鉄道整備法施行令(昭和四十五年政令第二百七十二号)第八条第二項の規定により国の負担とみなされる繰入金からなる国の負担、地方公共団体の負担並びに旅客鉄道株式会社の負担からなり、このうち国の予算における公共事業関係費については、一般会計より支出されている。
 共管に係るものとしては、総務省、外務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省及び環境省の共管の平成十八年三月二十八日に策定された科学技術基本計画がある。
 平成十八年三月二十八日に策定された科学技術基本計画は、科学技術基本法(平成七年法律第百三十号)第九条第一項の規定に基づき、科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図ることを目的として策定したものであり、平成十八年度から平成二十二年度までの間の科学技術の戦略的重点化、科学技術システム改革等を内容とするものである。
 当該計画においては、政府研究開発投資について、当該計画の計画期間中に対GDP比率で欧米主要国の水準を確保するため、一定の前提の下に、平成十八年度から平成二十二年度までの間の政府研究開発投資の総額の規模を約二十五兆円とすることが必要であるとしている。科学技術関係予算としては、平成十八年度においては約四兆千億円、平成十九年度においては約四兆円を確保しているところである。
 当該計画の実施に係る経費については、科学技術関係予算として、国及び地方公共団体の支出が計上されており、このうち平成十九年度の国の支出については、一般会計並びに出資に対する配当金等を財源とする産業投資特別会計、電源開発促進税の収入額等に相当する金額の一般会計からの繰入金等を財源とするエネルギー対策特別会計、国立高度専門医療センターの病院収入等を財源とする国立高度専門医療センター特別会計、労働保険料等を財源とする労働保険特別会計、特許印紙収入等を財源とする特許特別会計、揮発油税の収入等を財源とする道路整備特別会計、一般会計からの繰入金等を財源とする治水特別会計、一般会計からの繰入金等を財源とする港湾整備特別会計、自動車検査登録印紙売渡収入等を財源とする自動車検査登録特別会計及び航空機燃料税の収入額等に相当する金額の一般会計からの繰入金等を財源とする空港整備特別会計より支出されている。なお、科学技術関係予算は、関係省庁及び地方公共団体が実施する科学技術政策に関連する予算を集計したものであり、当該計画の実施のために特定の財源が存在するものではない。
 これらの省庁以外の省庁においては、お尋ねの「行政権が一定の目的のために目標設定し、その目標を達成するための手段を総合的に提示するもの」であって、その計画期間が複数年度にわたるもの又は計画期間の定めがないもののうち、平成二十年三月二十八日現在その計画期間中であり、複数年度にわたる予算額又は事業費等を定めているものは、存在しない。