質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第七二号

内閣参質一六九第七二号
  平成二十年三月二十五日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員糸数慶子君提出沖縄県名護市辺野古沖合のボーリング調査業務委託料訴訟の和解に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員糸数慶子君提出沖縄県名護市辺野古沖合のボーリング調査業務委託料訴訟の和解に関する質問に対する答弁書

一及び五について

 政府としては、一年以上にわたる御指摘の訴訟の審理において、「契約変更をしていない以上、国に契約額を超える債務はない」と主張してきたが、裁判所から、被告である国が原告らに対し和解金を支払うことで和解による解決ができないかと強く促されたことにかんがみ、和解に応じたものである。

二について

 お尋ねの提訴理由については、原告らそれぞれの訴状等に記載されているところであるが、当該訴訟で国は被告の立場にあり、原告らの提訴理由の内容を取りまとめてお答えすることは差し控えたい。

三について

 国は、原告らに対し、業務委託料として、平成十八年四月までに合計八億四千百七十八万五千円を支払ったところであるが、原告らは、それぞれ、訴状において、当該業務委託料で賄えなかった額として、パシフィックコンサルタンツ株式会社が十一億九千七百三十五万七千五百円、株式会社東京久栄が八千百二十九万千円、応用地質株式会社が八億二千九百三十三万五百円、サンコーコンサルタント株式会社が一億五千百二十万五千二百五十円の合計二十二億五千九百十八万四千二百五十円及びそれぞれの金額に対する遅延損害金を請求したところである。

四及び六について

 国は、原告らからの合計二十二億五千九百十八万四千二百五十円及びこれに対する遅延損害金の請求に対し、合計二十一億八千万円の和解金を支払うとの和解をしたものであるが、和解金の額は裁判所が示したものであり、国としてもこの額は妥当であるとして受け入れたものである。

七及び八について

 原告らとの委託業務契約は、那覇防衛施設局(当時)が「普天間飛行場の移設に係る政府方針」(平成十一年十二月二十八日閣議決定)を踏まえて締結し、平成十五年四月から原告らに委託業務を実施させていたものであるが、平成十七年十月二十九日の日米安全保障協議委員会において、普天間飛行場の代替施設の建設地をキャンプ・シュワブ沖から、キャンプ・シュワブの海岸線の区域とこれに近接する大浦湾の水域を結ぶL字形に設置することとする旨変更されたため、同防衛施設局は、平成十七年十一月一日、委託業務を一時中止させ、平成十八年三月十六日には業務委託契約を解除したものである。
 その後、原告らから御指摘の訴訟が提起され、その結果、国が原告らに対して和解金を支払うこととなったものである。
 本件については、防衛省として、和解成立後、予算執行職員等の責任に関する法律(昭和二十五年法律第百七十二号)第四条第四項の規定に基づく通知を行っており、今後、事実関係や責任の所在について可能な限り明らかにしていくこととしているが、現在のところ、お尋ねのような処分は行っていない。

九について

 和解金については、予算決算及び会計令(昭和二十二年勅令第百六十五号)第四十二条に規定する手続等を行い、和解調書に記載された支払期限である本年三月三十一日までに支払うこととしている。