質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第六七号

内閣参質一六九第六七号
  平成二十年三月十八日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員糸数慶子君提出政府の沖縄問題への基本的認識及び沖縄振興計画等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員糸数慶子君提出政府の沖縄問題への基本的認識及び沖縄振興計画等に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「沖縄問題」は、様々な文脈で用いられるものであり、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、沖縄の置かれた特殊な諸事情が、経済社会や住民生活の各面に様々な大きな影響を及ぼしている状態を指すことがあるものと認識している。

二について

 政府としては、平成二十年二月十日に、沖縄県に駐留する在日米海兵隊に所属する二等軍曹による日本人女子中学生に対する暴行被疑事案(以下「本件事案」という。)が発生したことは極めて遺憾であると考えており、このような事案が繰り返されないようにするため、在日米軍関係者による事件・事故等の再発防止策がより効果的かつ包括的なものとなるよう日米両政府が取り組むことが重要であると認識している。本件事案については、告訴が取り消されたため、那覇地方検察庁において不起訴処分になったが、政府のかかる認識に変化はなく、また、このことが事件・事故の再発防止に向けた日米両政府の取組に影響を与えることはないものと考えている。

三について

 捜査機関において、被害者の事情聴取も含め、所要の捜査を行ったと承知している。

四について

 本件事案の被害者に対する謝罪については、本年二月十三日、シーファー駐日米国大使が沖縄を訪問し仲井眞沖縄県知事と会談した際に、本件事案は本当に遺憾であり申し訳なく思っている旨並びに被害に遭われた少女及び御家族等に心から同情申し上げる旨同知事に伝えるとともに、被害者及び両親あての書簡を同知事に託したものと承知している。さらに、同月二十七日、ライス米国国務長官は高村外務大臣との共同記者会見において、本件事案について遺憾の意を述べるとともに、少女及び御家族の方を心配しており、お見舞いの意を表したい旨を表明している。
 また、被害者に対しては、在学する中学校において、関係機関等と連携しつつ、被害者及び家族の心情やプライバシー保護に配慮した上で、教育相談の充実に努めてきたものと承知しており、政府としても今後、必要に応じ、支援を行ってまいりたい。
 なお、精神保健福祉センター及び保健所において実施している精神保健に関する相談や児童相談所において実施している子どもに関する相談の中においても、本件事案のような被害を受けた者を含め、精神的ケアを必要とする方への対応を行っているところである。

五について

 沖縄の本土復帰以来、沖縄の振興開発のための施策を積極的に講じてきた結果、社会資本の整備を中心に次第に本土との格差が縮小してきている。しかしながら、沖縄の社会経済は、今日なお全国に比べ低い県民所得や高い失業率に示されるように、課題を抱えていることも事実である。
 沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)第四条及び第五条の規定に基づき平成十四年度に決定した沖縄振興計画に沿って、沖縄の特性を積極的に生かしつつ、自立型経済の構築に向けた取組を進めており、これらの取組等によって、一定の成果を上げているものと認識している。

六について

 政府として、沖縄の振興については、沖縄振興特別措置法の規定に基づき内閣総理大臣が関係行政機関の長に協議して決定した沖縄振興計画に沿って、沖縄の総合的かつ計画的な振興を図っており、一定の成果を上げているものと認識している。

七について

 沖縄の振興については、沖縄の特性を積極的に生かしつつ、自立的発展の基礎条件を整備し、豊かな地域社会を形成するとともに、我が国ひいてはアジア・太平洋地域の社会経済及び文化の発展に寄与する特色ある地域として整備を図り、平和で安らぎと活力のある沖縄県を実現することを目標として、沖縄振興計画に基づき、自立型経済の構築に向けた産業の振興、それを支える人材の育成などに重点的に取り組んでまいりたい。