質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第四二号

内閣参質一六九第四二号
  平成二十年二月二十九日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員谷博之君提出日雇派遣労働者に対する雇用保険適用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員谷博之君提出日雇派遣労働者に対する雇用保険適用に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 厚生労働省としては、日雇派遣労働者の実態については、平成十九年六月から七月にかけて派遣元事業主及び派遣労働者に対するアンケート調査として実施した「日雇い派遣労働者の実態に関する調査」により具体的に把握したところである。厚生労働省としては、当該調査によって、約五万千人の日雇派遣労働者の存在を認識したところである。

三について

 労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則(昭和四十七年労働省令第八号)第四十二条第一項に規定する雇用保険印紙購入通帳については、事業主による交付申請後直ちに交付できるものではなく、その交付申請があった公共職業安定所において、当該事業所において雇用される日雇労働者の雇用実態等を把握し、雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)第四十三条第一項に規定する日雇労働被保険者に該当する者が存在するか否かを確認する必要がある。お尋ねの事案についても、このような事実関係を確認するために当該事業所及び当該事業所を通じた日雇派遣労働者本人への実態把握を実施し、その結果、日雇労働被保険者に該当する可能性がある者が存在することを把握したため、雇用保険印紙購入通帳の交付を行ったところである。

四について

 労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)第二十三条第一項及び第二項においては、日雇労働被保険者を雇用する事業主は、日雇労働被保険者に賃金を支払うつど、当該日雇労働被保険者が所持する日雇労働被保険者手帳に雇用保険印紙をはり、これに消印して印紙保険料を納付しなければならないこととされているが、当該事業主は、多くの場合、手帳の提示があって当該日雇労働被保険者に係る印紙保険料を納付しなければならないことを認識することとなる。なお、労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第四十二条第一項においては、事業主は、雇用保険印紙を購入しようとするときは、あらかじめ、雇用保険印紙購入通帳交付申請書を事業場の所在地を管轄する公共職業安定所長に提出して、通帳の交付を受けなければならないこととされている。

五について

 厚生労働省としては、株式会社フルキャストが雇用保険印紙購入通帳の交付を受けた後、常態として日雇派遣労働者である者に対して初めて日雇労働被保険者手帳が交付されたのは、平成十九年十一月であると認識している。

六について

 厚生労働省としては、日雇派遣労働者のうち、日雇労働被保険者に該当するのは一定の要件を満たす者のみであり、日雇派遣労働者を雇用する事業主であっても雇用保険印紙の貼付の義務が生じない場合があることから、御指摘のような義務付けを行う必要はないと考えている。

七について

 厚生労働省においては、派遣元事業主を通じてその雇用する日雇派遣労働者にリーフレットを配布すること等により、日雇労働者に係る雇用保険制度の周知及び日雇労働被保険者手帳の取得促進を図っている。今後、社会保険庁のホームページや社会保険事務所等の窓口において、日雇労働者に係る健康保険制度の周知及び日雇特例被保険者手帳の取得促進を図ることとしているとともに、本年二月二十八日に新たに定めた日雇派遣労働者の雇用の安定等を図るために派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針(平成二十年厚生労働省告示第三十六号)に関するパンフレットを作成し、派遣元事業主に対する指導として、その雇用する日雇派遣労働者に対し、両制度の周知及びこれらに係る手帳の取得促進を図ることとしている。