質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第三五号

内閣参質一六九第三五号
  平成二十年二月二十二日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員糸数慶子君提出米海兵隊員の女子中学生暴行事件に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員糸数慶子君提出米海兵隊員の女子中学生暴行事件に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 在日米軍の綱紀粛正や事件・事故の再発防止策について、主な教育プログラムとしては、新着研修、部隊オリエンテーション及び情報共有と防止策検討を目的とした部隊司令官が集まる定例会合があり、主な行動規制措置としては、基地外への夜間外出制限(リバティ・カード制度)、基地外への一時的な夜間外出禁止、オフ・リミッツ(特定の地域や店舗に対する一時的な出入り禁止)、生活指導巡回(憲兵隊員ではない米軍関係者による繁華街におけるパトロール)及びリバティ・キャンペーン(私有車の所有・運転の禁止、兵舎で消費できる酒類と酒量の制限等)があり、また、地元住民との交流を図る目的でボランティア活動への参加が促されているものと承知している。
 また、ジルマー在日米海兵隊基地司令官が、今般の沖縄県に駐留する在日米海兵隊に所属する二等軍曹による日本人女子中学生に対する暴行被疑事件を受けて、第三海兵機動展開部隊及び在日米海兵隊基地に所属するすべての海兵隊員(以下「全海兵隊員」という。)に対し、服務倫理及びリーダーシップ意識の向上を目的として、平成二十年二月十三日から十五日までの間の活動停止を指示し、この活動停止の期間中、全海兵隊員は、日本との良好な関係を維持することの重要性や性的暴力及びその他のすべての非行を防止するために措置をとる責任等について改めて学んだとの説明を米側から受けている。

三から五までについて

 在日米海兵隊が平成十六年六月一日に導入した「基地外への夜間外出制限(リバティ・カード制度)」は、原則として三等軍曹以下の若年兵に対して赤色のカードを発行し、同カード保持者について事件・事故が多発する深夜(午前零時から午前五時まで)の外出を制限するというものであると承知している。
 リバティ・カード制度の下で、原則として二等軍曹以上の兵員は外出制限を受けていないものと承知している。また、同制度に違反して外出した者については、状況に応じて清掃ボランティアへの参加などの措置が課されるものと承知している。

六について

 米側から、在日米軍は、在日米軍の構成員及び軍属並びにそれらの家族(以下「米軍の構成員等」という。)が施設及び区域外に居住するに当たって、原則として次に掲げる者を対象に各施設及び区域の状況等を勘案して個別に許可を行っているとの説明を受けている。
イ 在日米空軍については、兵長から三等兵までの単身者であって配属が三年に満たない者及び特定重要配置に配属される者を除くすべての軍の構成員。
ロ 在日米海兵隊については、特定重要配置に配属される者及び三等軍曹以下の単身者を除くすべての軍の構成員。ただし、二等兵から三等軍曹までの者については、次のいずれかの条件を見たす場合は、施設及び区域外に居住することができる。
①司令部による支援を受けない扶養者を得たとき
②軍の構成員の配偶者と所帯を設けるとき
③妊娠二十週に達したとき
④別居又は離婚により、大量の家具を得たとき
ハ 在日米海軍については、給与水準が上等水兵以下に該当する単身者であって、海上の部隊に配属されている者を除くすべての軍の構成員。ただし、陸上勤務を命ぜられた単身者であって、施設及び区域内の住宅が無い旨の証明を得て、かつ、司令官の承認を得た場合は、二等水兵から大将までの給与水準に該当する在外住宅手当を受け、施設及び区域外に居住することができる。また、海上勤務を命ぜられた単身者であって、給与水準が四等兵曹(四年以上服務を要する。)以上に該当する者については、司令官の承認を得た場合は、在外住宅手当を受け、施設及び区域外に居住することができる。
ニ 在日米陸軍については、二等軍曹以下の者及び特定重要配置に配属される者を除くすべての軍の構成員。ただし、九十五パーセントの施設及び区域内の住宅居住率が達せられない限り、すべての軍の構成員は施設及び区域外に居住することが許可されない。

七について

 沖縄県に所在する米軍の構成員等で施設及び区域外に居住する者の数については、平成二十年二月二十日現在、米側から、同年一月三十一日時点において、沖縄県には、米軍の構成員二万二千七百七十二名、軍属二千三百八名及び家族一万九千八百八十三名の合計四万四千九百六十三名が居住し、そのうち三万四千二百十五名が施設及び区域内に居住し、一万七百四十八名が施設及び区域外に居住している旨の説明を受けている。
 また、米側から、沖縄県内の施設及び区域外に所在する米軍の構成員等の住宅として契約されているものの数は、平成十九年九月現在で、五千百七戸であるとの説明を受けている。

八について

 政府は、施設及び区域外に所在する米軍の構成員等の住宅に係る光熱水料等について負担することは現在行っておらず、また、当該住宅に居住している米軍の構成員等に対し、政府が光熱水料等の補助を行っているという事実はない。また、米軍の構成員等の住宅に係る家賃については、施設及び区域の内外を問わず政府は負担を行っていない。