質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第二九号

内閣参質一六九第二九号
  平成二十年二月二十二日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員辻泰弘君提出厚生労働省が検討中の「医療事故(安全)調査委員会」(仮称)の設置に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員辻泰弘君提出厚生労働省が検討中の「医療事故(安全)調査委員会」(仮称)の設置に関する質問に対する答弁書

一について

 関係文献において、アメリカ合衆国ニューヨーク州においては、医療機関に義務付けられた州の機関に対する医療事故の報告について一定の分析が行われており、また、ドイツ連邦共和国ノルトライン・ヴェストファーレン州においては、患者からの苦情等に基づき、州の医師会に設置された医師、法律家等からなる委員会において医療過誤の有無等について判定を行う仕組みがあると紹介されているが、現在のところ、その詳細については承知していない。

二から七までについて

 政府としては、第三者機関の設置等により体制を整備して、医療事故の原因究明等を行うことは、医療事故の再発防止とともに医療事故に係る紛争の早期解決等にも資し、医師確保対策の上でも重要であると認識しており、「経済財政改革の基本方針二〇〇七」(平成十九年六月十九日閣議決定)に基づき、診療行為に係る死因究明制度(医療事故調査会)の構築など、医療リスクに対する支援体制を整備することとしている。
 そのため、厚生労働省において、医療事故の再発防止を図り、医療の質の向上及び医療の安全の確保に資する観点から、医療事故の原因究明及び再発防止策の検討を行う国の調査組織の在り方について検討を行っているところである。具体的には、平成十九年四月から開催している「診療行為に関連した死亡に係る死因究明等の在り方に関する検討会」における議論等を踏まえ、同年十月に「診療行為に関連した死亡の死因究明等の在り方に関する試案」を公表し、現在、関係各方面から様々な御意見をいただいているところである。
 新たな調査組織の在り方については、お尋ねの医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第二十一条に基づく届出の取扱い、医療事故の届出、調査等に関する相談窓口の在り方、調査報告書の作成方法、捜査機関への通知をする場合の要件、公的な調査組織の設置の在り方等を含め、医療の質の向上及び医療の安全の確保に向けて、関係各方面の幅広い御意見等を踏まえつつ、今後とも検討を深めてまいりたい。