質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第二四号

内閣参質一六九第二四号
  平成二十年二月二十二日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員喜納昌吉君提出食糧・食料・食品の生産態勢等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員喜納昌吉君提出食糧・食料・食品の生産態勢等に関する質問に対する答弁書

一について

 食料自給率の算定に当たっては、食料品について、生鮮、冷蔵、冷凍等を区分した集計は行っていないため、冷凍食品の自給率をお示しすることは困難である。なお、社団法人日本冷凍食品協会の調査によれば、平成十八年における冷凍食品の日本国内での供給量に占める重量ベースの国内生産量の割合は約五十七パーセント、輸入量の割合は約四十三パーセントである。輸入の理由は、主に供給価格が安いことにあると考えている。

二について

 農業生産については、食料・農業・農村基本計画(平成十七年三月二十五日閣議決定)において、消費者や実需者のニーズに的確かつ積極的に対応することを通じて国内農業生産を拡大するため、経営感覚に優れた担い手による需要に即した生産の促進、食品産業と農業の連携の強化、効率的な農地利用の推進等の取組を進めていくこととしている。
 また、漁業生産については、水産基本計画(平成十九年三月二十日閣議決定)において、持続的な漁業生産を実現するため、水産資源の回復・管理、水産物の安定供給の担い手として継続的に漁業活動を担い得る経営体の育成・確保、それらの経営体による需要に即した生産の促進等の取組を進めていくこととしている。

三について

 遊休農地については、その現状を的確に把握した上で、それぞれの状況に応じ、営農再開、保全管理、非農業的利用といったきめ細やかな対策を実施することにより、五年後を目途にその解消を目指すこととしている。
 また、食品加工体制の整備については、国産農林水産物を活用した新商品開発や販路拡大の取組、加工技術等の研究開発等への支援を行うことにより、食品産業の競争力強化の実現を目指すこととしている。

四について

 国民に対する食料の安定供給については、食料・農業・農村基本法(平成十一年法律第百六号)に基づき、国内の農業生産の増大を図ることを基本に、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせて行うこととし、同法に基づき策定した食料・農業・農村基本計画に沿って、食料輸入の安定化・多元化も含め各般の施策を推進することとしている。

五及び六について

 今般明らかになった冷凍食品による薬物中毒事案については、いまだ原因が明らかになっておらず、現時点では、中国産食品その他の輸入食品の検査の在り方について具体的な内容を検討することは困難であるが、今般のような国民の食の安全を脅かすような事態が生じた以上、政府一体となって、しっかりと再発防止策を検討する必要があると考えている。

七について

 御指摘の「食料」について、貿易統計上厳密な定義があるわけではないが、平成十九年の貿易統計(確報値)によれば、輸出統計品目表(「輸出統計品目表及び輸入統計品目表を定める等の件(昭和六十二年大蔵省告示第九十四号)」に定める輸出統計品目表をいう。)の項ごとの輸出額で上位のもののうち、主に食用に供されると考えられる十品目とその輸出金額は、「魚(冷凍したものに限るものとし、第〇三・〇四項の魚のフィレその他の魚肉を除く。)(第〇三・〇三項)」が六百四十五億円、「甲殻類、軟体動物及びその他の水棲無脊椎動物(調製し又は保存に適する処理をしたものに限る。)(第一六・〇五項)」が四百三十四億円、「調製食料品(他の項に該当するものを除く。)(第二一・〇六項)」が三百三億円、「軟体動物(生きているもの、生鮮のもの及び冷蔵し、冷凍し、乾燥し、塩蔵し又は塩水漬けしたものに限るものとし、殻を除いてあるかないかを問わない。)、水棲無脊椎動物(生きているもの、生鮮のもの及び冷蔵し、冷凍し、乾燥し、塩蔵し又は塩水漬けしたものに限るものとし、甲殻類及び軟体動物を除く。)並びに水棲無脊椎動物(甲殻類を除く。)の粉、ミール及びペレット(食用に適するものに限る。)(第〇三・〇七項)」が二百五十一億円、「ソース、ソース用の調製品、混合調味料、マスタードの粉及びミール並びに調製したマスタード(第二一・〇三項)」が二百五十一億円、「魚(生鮮のもの及び冷蔵したものに限るものとし、第〇三・〇四項の魚のフィレその他の魚肉を除く。)(第〇三・〇二項)」が百七十八億円、「パン、ペーストリー、ケーキ、ビスケットその他のベーカリー製品(ココアを含有するかしないかを問わない。)及び聖さん用ウエハー、医療用に適するオブラート、シーリングウエハー、ライスペーパーその他これらに類する物品(第一九・〇五項)」が百五十七億円、「魚(調製し又は保存に適する処理をしたものに限る。)、キャビア及び魚卵から調製したキャビア代用品(第一六・〇四項)」が百三十七億円、「魚のフィレその他の魚肉(生鮮のもの及び冷蔵し又は冷凍したものに限るものとし、細かく切り刻んであるかないかを問わない。)(第〇三・〇四項)」が百二十五億円、「魚(生きているものに限る。)(第〇三・〇一項)」が九十二億円である。