質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第二一号

内閣参質一六九第二一号
  平成二十年二月十二日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員福島みずほ君提出PAC3の適地調査に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出PAC3の適地調査に関する質問に対する答弁書

一の1、2及び5から7までについて

 防衛省は、弾道ミサイル等が我が国に飛来するような事態において、我が国国民の生命・財産の安全を確保するため、ペトリオットPAC-三を状況に応じ政経中枢等の適切な地域に展開させて対処することとしており、展開先について不断に検討を行っている。このような検討の一環として、新宿御苑について、ペトリオットPAC-三を安全に展開できる面積が確保されると地図等により考えられたことから、本年一月十四日から十五日にかけ、現地において、測量を行って迎撃ミサイルの飛翔やレーダーの障害となるような建造物があるか否かを確認するとともに、自衛隊施設との無線通信が確保できるか否かを確認するため、神奈川県横須賀市に所在する航空自衛隊第一高射群第二高射隊から運搬したペトリオットの構成器材である無線中継装置及びアンテナ・マスト・グループを使用し、航空自衛隊第一高射群第二高射隊等から約六十人の隊員が参加して調査を実施したところである。

一の3及び4について

 新宿御苑において実施した調査については、施設管理者の許可を得て新宿御苑が閉園した後から翌日の休園日までを利用して実施するなど、他の利用者に極力影響を生じさせないよう配慮したところであり、御指摘の閣議決定との関係で問題があるものではないと考えている。

一の8及び二の4について

 調査結果に関することについては、ペトリオットPAC-三の展開先にかかわるものであり、これを公表すれば、自衛隊の運用に影響を及ぼすおそれがあることから、これを公表すること等は考えていない。

二の1から3までについて

 お尋ねの「通知」や「告知」の趣旨が必ずしも明らかではないが、本年一月十四日から十五日にかけて新宿御苑において調査を実施する旨については、本年一月十四日、防衛省から東京都に対し、通常用いている連絡手段である電話により情報提供したところである。なお、新宿御苑においては、無線中継装置及びアンテナ・マスト・グループを使用して調査を実施したところである。

三の1について

 ペトリオットの構成器材が道路を通行する際には、事前にその通行の適否について確認をしており、ペトリオットの構成器材の通行による埋設構造物等に対する影響はないものと考えている。

三の2について

 防衛省においては、PAC-三ミサイルが発射される際の当該ミサイルから噴出されるガス等の成分については、米国政府に照会中であるが、現時点で、米国政府から具体的な内容についての回答は得られていない。

三の3について

 新宿御苑において実施した調査はPAC-三ミサイルの発射を伴うものではなく、御指摘は当たらないと考えている。

三の4について

 新宿御苑において実施した調査はPAC-三ミサイルの誘導のための電波を発射しておらず、御指摘のような影響は生じていない。

四の1について

 新宿御苑において実施した調査に関しては、防衛省から警察に対し、所要の情報提供を行ったが、その具体的な内容については、自衛隊の運用に影響を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えたい。

四の2及び3について

 防衛省としては、新宿御苑において実施した調査に際しては、特段の必要性が認められなかったため、警察以外の組織・団体に警備等の業務を依頼していない。

五について

 今後の調査予定については、自衛隊の運用に影響を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えたい。