質問主意書

第169回国会(常会)

答弁書


答弁書第四号

内閣参質一六九第四号
  平成二十年一月二十九日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員糸数慶子君提出欠陥機F15戦闘機の即時撤去、即応訓練の中止に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員糸数慶子君提出欠陥機F15戦闘機の即時撤去、即応訓練の中止に関する質問に対する答弁書

一及び四について

 昨年十一月二日にアメリカ合衆国(以下「合衆国」という。)ミズーリ州において発生したF―15戦闘機の墜落事故(以下「墜落事故」という。)については、本年一月十日、合衆国空軍の事故調査委員会から、当該戦闘機の上部右側ロンジェロンの欠陥が墜落の原因であったとする旨の事故調査報告書が発表されたと承知している。
 嘉手納飛行場のF―15戦闘機の飛行再開に当たっては、合衆国側から、F―15戦闘機は、我が国の防衛や地域の平和と安定のために極めて重要な役割を果たしており、航空機の安全を確保しつつ、運用上の所要を満たすため、墜落事故の分析を踏まえ定められたすべての整備点検を完了し、ロンジェロンの製造仕様書に合致した戦闘機に限って飛行再開を行うこととした旨の説明を受けている。

二について

 合衆国軍隊は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号。以下「日米安保条約」という。)の目的達成のために我が国に駐留しており、部隊運用の一環として、F―15戦闘機の早朝離陸を行うことが必要となる場合もあるものと認識しているが、政府としては、合衆国軍隊の航空機による騒音問題については、飛行場周辺住民にとって、深刻な問題であると認識しており、合衆国側に対し、運用の調整等により、できるだけ早朝離陸を回避すること等により、飛行場周辺住民に与える影響が最小限となるよう累次働きかけを行っているところである。

三について

 御指摘の「但し書き運用規定」が具体的に何を意味するのか必ずしも明らかではないが、平成八年三月二十八日の嘉手納飛行場における航空機騒音規制措置に関する日米合同委員会合意は、日米安保条約の目的達成を図りつつ、同飛行場における航空機の運用による周辺住民に対する騒音の影響をできるだけ軽減するために、日米両政府が最大限努力した結果を取りまとめたものであり、これを変更して新たな制限を課すことは困難であるが、政府としては、引き続き合衆国側に対し、同規制措置の遵守等を通じて、飛行場周辺住民に与える影響を最小限にとどめるよう働きかけていく考えである。

五について

 政府としては、合衆国軍隊は、日米安保条約の目的達成のため、その能力を維持するための訓練を行う必要があるものと認識しており、合衆国側に対し、今後嘉手納飛行場における即応態勢維持のための訓練を実施しないよう求めることは考えていないが、引き続き、合衆国側に対し、訓練の実施に当たり、騒音等の面において、周辺住民に与える影響を最小限にとどめるよう働きかけていく考えである。

六について

 政府としては、合衆国軍隊は、日米安保条約の目的達成のため、各種航空機部隊の運用を行う必要があるものと認識している。