質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第一八〇号

八ッ場ダム及び周辺地盤の強度に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年六月十九日

富岡 由紀夫   


       参議院議長 江田 五月 殿



   八ッ場ダム及び周辺地盤の強度に関する質問主意書

 先日十四日に発生し、大被害をもたらした岩手・宮城内陸地震は、マグニチュード七・二、最大震度が六強と阪神・淡路大震災と同等の地震といわれている。報道等で映し出された被災現場を見ると、茶色い山肌がむき出しとなり、地形が変わるほど崩落した場所がある。今回の岩手・宮城内陸地震による被害を見ると、類似の地形的条件において建設予定の八ッ場ダムについて不安を覚えざるを得ない。
 よって、以下のとおり質問する。

一 岩手・宮城内陸地震の震源付近は、栗駒山をはじめ火山が多く、噴火による火山灰などが堆積した崩れやすい地盤といわれている。八ッ場ダムの建設箇所も全国的に有名な草津温泉をはじめ、多くの温泉地が周辺に存在することからもわかるように、白根山をはじめとした多くの火山が控え、地盤も弱いといわれている。八ッ場ダム周辺の地盤強度はどの程度なのか。今回と同程度の地震に耐えられるのか。

二 荒砥沢ダム上流部で山をえぐるような大規模地滑りが発生し、道路が寸断するなどの被害が生じているが、ダムに水をためたことにより、地下水位が上昇し、高速の地滑りが起きたのではないかという専門家の意見がある。岩手・宮城内陸地震は、三十年以内における地震の発生確率は極めて低いと予想されていた地域であったにもかかわらず、大地震が発生したように、八ッ場ダムも同様の地震が発生しない保証はどこにもない。そこで完成後の八ッ場ダムにおいて、今回と同程度の規模の地震が発生した場合、八ッ場ダム周辺の代替地に移転する住民に今回の様な被害が発生しない保証はあるのか。また、八ッ場ダム周辺において地滑りが発生しない保証はあるのか、併せて明らかにされたい。

三 同様に今回と同程度の地震が完成後の八ッ場ダムにおいて発生した場合、ダム本体が損壊する可能性は無いのか。また、ダム決壊の可能性は無いのか、併せて明らかにされたい。

  右質問する。