質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第一五六号

ハイテク犯罪に対処するための刑事法の整備に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年六月十二日

藤末 健三   


       参議院議長 江田 五月 殿



   ハイテク犯罪に対処するための刑事法の整備に関する質問主意書

 平成十五年三月二十四日に法務大臣から法制審議会に諮問した「ハイテク犯罪に対処するための刑事法の整備に関する諮問(諮問第六十三号)」では、「近年におけるハイテク犯罪の実情にかんがみ、この種の犯罪に対処するとともに、欧州評議会サイバー犯罪に関する条約(仮称)を締結するため、早急に、刑事の実体法及び手続法を整備する必要があると思われる」とされ、平成十六年二月には「ウィルス作成罪」を盛り込んだ刑法改正案「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」が国会に提出された。しかしながら、同法案に盛り込まれた「共謀罪」規定を巡って国会審議は紛糾し、現在に至るも成立していない状況にある。
 また、本年一月にウィルス作成者を著作権法違反で逮捕した事例があったが、ウィルス作成罪がないため、著作権法といった別の法律違反の構成要件を満たさないと捕えることができない状況にある。
 これを踏まえて、以下質問する。

 現代社会は情報システムに支えられており、ハイテク犯罪への対応は重要性も高く、かつ、喫緊の課題だと考えるが、「犯罪の国際化及び組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法律案」から「ウィルス作成罪」を独立させ立法化することは検討されていないのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。