質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第一四〇号

不測時の食料安全保障マニュアルに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年六月五日

藤末 健三   


       参議院議長 江田 五月 殿



   不測時の食料安全保障マニュアルに関する質問主意書

 近年、国際的な穀物価格が上昇している。小麦は二〇〇六年一月に一ブッシエル(二十七キログラム)が三・四ドルだったものが三倍以上に高騰している。わが国は小麦を年間六百万トン近くも輸入しており、国内の食糧価格にも大きな影響を与えている。また、とうもろこしについても、二〇〇六年一月には一ブッシエルが二・二ドルだったものが三倍近くになっている。わが国はとうもろこしを年間約千六百万トン輸入しており、これが餌用の価格高騰につながり、肉類や乳製品等の製品高騰を招いている。一方、大豆も二〇〇六年一月に比べて三倍近い価格上昇となっている。我が国は大豆を年間約四百万トンも輸入している。
 これらの原因として、中国の食糧の輸入、世界的な人口増加、穀物のバイオ燃料への利用などが挙げられているが、穀物価格の上昇基調は続くとの予測が多い。
 このような中で「穀物の輸出を規制」しようとする動きがある。例えば、ロシアの小麦、大麦の十パーセントから三十パーセントの輸出税導入、カザフスタンの穀物の輸出規制、ウクライナの小麦、ライ麦、大麦の輸出規制、セルビアの穀物大豆の輸出禁止、インドの米、小麦、乳製品の輸出禁止、ベトナムの米の輸出規制、アルゼンチンの小麦、牛肉の輸出規制などがあり、穀物輸出への規制は今後増えるとの予測もある。このような情勢を踏まえて、以下質問する。

一 このように穀物価格の世界的な高騰や穀物の輸出規制を行う国までも出てきた中で、平成十八年四月にとりまとめた「不測時の食料安全保障マニュアル」の見直しを行うべきと考えるが政府の見解如何。

二 「不測時の食料安全保障マニュアル」にあるレベル1「特定の品目の供給が平時の供給を二割以上下回ると予測される場合」、例えば米の大不作の発生(平成五年の米不足(作況指数七十四))、主要輸出国における輸出規制の実施(昭和四十八年の大豆の価格高騰)やレベル2「一人一日当たり供給熱量が二千キロカロリーを下回ると予測される場合」、例えば、穀物、大豆及び関連製品の輸入の大幅な減少の場合、などへの対応の組織的な体制や法制度の整備はどのように行われているのか示されたい。

  右質問する。