質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第一三四号

静岡空港建設の諸問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年五月二十九日

川田 龍平   


       参議院議長 江田 五月 殿



   静岡空港建設の諸問題に関する質問主意書

 建設中の静岡空港は、二〇〇五年七月五日付で土地収用法に基づく事業認定をされたものであるが、静岡県の需要予測百六万人(国内四路線)に対して、開港一年前の航空会社による利用見込みはわずかに四十万人(国内三路線)にすぎない。この厳然たる数字は、新幹線・高速道路に恵まれ、しかも近接二大空港に挟まれているゆえに空港不要意見が終始優勢であった県民世論の当然の帰結である。
 さらに、県は今になって需要喚起、航空促進等キャンペーンやセールス活動に多額な血税を投入しているが、開港すれば将来にわたって大赤字は必至であり、それらによる県財政の逼迫、県民負担増は見過ごすことのできない重要問題である。
 このように飛行場に設置許可を与え、多額な補助金を支出してきた航空行政のあり方について、以下のとおり質問する。

一 国土交通省は、二〇〇一年、二〇〇五年静岡県知事選挙等におけるマスコミ各社のすべての県民世論調査において、静岡空港不要の意見が必要意見を上回っていたことを認識していたか。

二 国土交通省は、空域調整について、開港までに防衛省と静岡県との間で決定するものとしているが、本来は試験飛行までに決定しなければならないはずである。現在、空域調整はどのように進捗しているのか明らかにされたい。

三 二〇〇三年に国土交通省は、「国が一般的な整備指針を示したうえで、事業主体がこの整備指針を踏まえ、必要性の十分な検証、概算事業費の精査、費用対効果の徹底等を行うとともに、計画案に関するパブリック・インボルブメント等を行い、条件が整ったものについて、財政状況を踏まえ事業する」として「一般空港における新たな空港整備プロセスのあり方」なる整備指針をうちだした。その中の「基準の必要性/整備目的ごとの評価項目と評価の基準」では、二千五百メートル滑走路を新設する場合の評価基準として「最大路線の需要として、供用目標年次において年間五十万人以上が見込まれること」が示されている。
 ところが、今日、静岡空港の需要予測において最大路線とされた新千歳(五十万人)の利用見込みが十四万人であることが明らかになり、「整備指針」に適合させるための作為的需要予測であった疑いが濃厚である。この指針と食い違う現状について、政府はどのような認識を持っているのか。また、この二千五百メートル滑走路建設の評価基準が設定された経過及び根拠についても明らかにされたい。

四 事業認定に際して尊重されなければならない社会資本整備審議会公共用地分科会の審議議事録について、土地収用法改正案の審議において、国土交通大臣が「すべて公表する」旨を答弁した(第一五一回国会二〇〇一年六月二十六日参議院国土交通委員会)にもかかわらず、静岡空港の事業認定の審議議事録に関しては未だ隠蔽されている。これを速やかに公開すべきではないかと考えるが政府の見解を示されたい。

  右質問する。