質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第一二八号

文化庁のジュゴン保護政策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年五月十九日

山内 徳信   


       参議院議長 江田 五月 殿



   文化庁のジュゴン保護政策に関する質問主意書

 沖縄近海に棲むジュゴンは文化財保護法のもとで天然記念物として保護を受けている。私は、天然記念物であるジュゴンは、他のいかなる施策にも優先して保護されるべき対象だと考える。しかし、これまでの文化庁のジュゴン保護に対する姿勢を見ると、文化財保護法に沿った行政が積極的になされているとは思えない。
 そこで、以下質問する。

一 これまで文化庁として、沖縄近海におけるジュゴンの棲息地、棲息史などの調査をしたことがあるか否か。

二 文化庁は、ジュゴンの保護のためにどのような施策が必要と考えるのか。現在、文化庁が行っているジュゴンの保護策の内容について具体的にお尋ねする。

三 今後も文化庁は、ジュゴン保護のための調査を行う計画はあるか。

四 前記の調査、施策の立案、遂行に際し、環境省とはどのような情報交換・意見交換をどのような場でどのように行い、それを文化庁の施策立案に反映させたのか。

五 文化財保護法においては、国の機関が天然記念物等の保存に影響を及ぼす行為をするときはあらかじめ文化庁長官の同意が求められるというのがこれまでの政府答弁であるが、名護市辺野古沖海域への新基地建設のジュゴンへの影響については、これまで文化庁長官の同意は得られているのか。また同意の有無とともにそこに至る庁内での議論の経緯も明らかにされたい。

六 沖縄においてジュゴンは沖縄の古謡やカミウタ(神唄)でジュゴンへの感謝がうたわれ、人々と精神的にも文化的にも深いつながりのあるかけがえのない生物である。ジュゴンを傷つけることは、沖縄の精神や文化を傷つける罪深い行為であり、文化財保護法の趣旨からも断じて同意できないことと考えるが、文化庁を含むわが国政府としての見解を明らかにされたい。

  右質問する。