質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第一二七号

米海兵隊施設・区域キャンプ・シュワブ等への立ち入り作業許可に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年五月十九日

山内 徳信   


       参議院議長 江田 五月 殿



   米海兵隊施設・区域キャンプ・シュワブ等への立ち入り作業許可に関する質問主意書

 現在、政府が沖縄県名護市辺野古沖に建設予定の普天間飛行場代替施設の環境影響調査が実施されている。またこれに先立ち昨年から環境現況調査も実施されてきたところであるが、沖縄防衛局は米海兵隊施設・区域であるキャンプ・シュワブ内に事務所を建て、沖縄防衛局職員が業務として日常的に出入りするのが目撃されている。同時に職員だけでなく環境調査の作業を請け負った民間業者の出入りもあるようである。また、米側が管理するキャンプ・シュワブ訓練水域においても、同じく沖縄防衛局職員に加えて民間業者も調査を行っている。
 加えて、本年五月には国土交通省管轄の海上保安庁の警備用ゴムボートが同じくキャンプ・シュワブ海岸から出動していることが現地の住民により確認されている。
 環境影響評価法に基づく環境調査が、日米地位協定により米側の絶対的排他的な管理下にあると解される米軍用施設・区域を自由に使うことによって実施されるならば、米軍と日本政府が一体となって事業を進めている印象は否めず、過度な米軍基地負担を背負わされている沖縄の県民感情を考慮するとき、見過ごすわけにはいかない。また事業主体でないにもかかわらず、本来海上の安全の確保を中立的な立場から図るべき海上保安庁が米軍施設・区域から出動することは極めて理解しがたいものである。
 そこで、以下質問する。

一 環境影響調査を実施するにあたり、キャンプ・シュワブ内への事務所の設置等政府が米軍施設・区域を使用するに至った理由は何か。またその場合に前記の沖縄の県民感情に配慮した上で決定したのか。

二 キャンプ・シュワブ内への事務所の設置、公務員である沖縄防衛局職員や民間業者のキャンプ・シュワブへの立ち入り、またキャンプ・シュワブ米軍訓練水域における業務について、政府としてはいつ、どのような機関及び手順で決定したのか。

三 海上保安庁が所有する機器・機材等のキャンプ・シュワブ内への持ち込み・保管・出動、職員の出入り、またキャンプ・シュワブ米軍訓練水域における業務について、政府としてはいつ、どのような機関及び手順で決定したのか。

四 前記二、三の件について米側とはいつ、どのような場で、どういう内容の協議または合意がなされた上で行われているのか、明らかにされたい。また合意文書の内容を明らかにされたい。

五 前記業務の実施にあたり、米側からどういう内容の許可を受けて行われているのか、また許可書があればその内容について明らかにされたい。

六 海上保安庁の米軍施設・区域の使用に関して、明らかにすべき点がある。

1 環境影響調査に関する出動の目的と根拠はなにか。
2 本来、キャンプ・シュワブ海岸ではなく、中城海上保安部から出動するべきではないのか。
3 今回キャンプ・シュワブを使用するに至った理由は何か。
4 キャンプ・シュワブを使用する場合の業務の範囲は何か。また今までにいつ、どのような業務をしたのか、あるいはする予定があるのか。
5 業務を遂行する上で、過去に米軍施設・区域を使用したことはあるのか。

  右質問する。