質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第一二一号

不発弾処理に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年五月八日

糸数 慶子   


       参議院議長 江田 五月 殿



   不発弾処理に関する質問主意書

 政府は、本年四月七日に沖縄県浦添市の建設現場で見つかった不発弾七十六発のうち、二十二発に化学物質が入っている恐れがあるとして、その処理のため平成二十年度予算の予備費から三千六百六十四万円の支出を決定した。この予算の支出は、地域住民の安全に万全を期し、かつ緊急を要する事案として処理されるべきと理解するが、化学物質とされる液体についての事前の情報収集や日米間の情報交換、地元自治体との調整、処理方法等についていくつかの疑問があり、予算執行の細目にも不可解な点がある。
 よって、以下質問する。

一 化学物質が入っているとされる二十二発の不発弾の処理(回収と移送)はいつ行われたのか、回収日時、移送ルート、処理にかかった延べ日数、処理にかかった延べ人員を明らかにされたい。

二 三千六百六十四万円の支出は、二十二発の不発弾を発見現場から回収し、沖縄県沖縄市の不発弾保管庫に移送するための経費であり、化学物質とみられる液体の処理はどのような機関が何時、何処で、どう行うのか、明らかにされたい。

三 二十二発の不発弾は、化学物質が入っているとされるが米国製であるかを含め、製造年、砲弾の種類等、解明できた点を明らかにされたい。

四 化学物質が入っているとされる二十二発の不発弾の回収、移送を民間業者に委託した理由を明らかにされたい。

五 三千六百六十四万円の支出は、環境省の化学物質対策推進費が充てられ、民間業者との契約等は防衛省の事態対処課が精査して行ったものと聞くが、契約は随意契約かどうか、明らかにされたい。

六 前記五の契約した民間業者名を明らかにされたい。

七 「沖縄県浦添市内で発見された砲弾の移送等役務に係る所要経費について」(以下「不発弾処理費」という。)と題する契約等の細目について、適正であるかどうか、政府の見解を示されたい。

八 不発弾処理費に示された細目のうちの「砲弾の回収経費」のなかの人件費の内訳にある指揮者の日当、十八万四千円と、安全管理者の日当、十八万四千円は適正であるかどうか、政府の見解を示されたい。

九 指揮者の日当、安全管理者の日当が適正とされるなら、一般的な化学物質の処理に伴う指揮者、安全管理者の日当を示し、その根拠を明らかにされたい。

十 指揮者と安全管理者はどのような資格を有し、専門的な見識を持ち合わせ、かつ回収、移送現場においてどのような役割を担うのか、説明されたい。

十一 化学物質が入っているとされる二十二発の不発弾の発見から現時点までの間、米軍当局との情報交換、協議等、どのような協力態勢にあったのか、明らかにされたい。

十二 政府は、今後においても化学物質等の疑いがある化学弾については民間業者に委託し、回収、移送等の処理に当たるのかどうか、見解を示されたい。

  右質問する。