第169回国会(常会)
質問第一〇四号 日本政府のジュゴン訴訟への対応に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十年四月十六日 山内 徳信
参議院議長 江田 五月 殿 日本政府のジュゴン訴訟への対応に関する質問主意書 二〇〇八年一月二十四日、北カリフォルニア連邦地裁(以下「連邦地裁」という。)は、アメリカ国防総省(以下「国防総省」という。)に対し、国家歴史保存法(NHPA)四〇二条に基づき、沖縄の辺野古の基地建設が辺野古沖に生息するジュゴンに対して悪影響を及ぼさないように配慮することを命じる判決を下した。同判決の中で、連邦地裁は、国防総省に対し、基地建設がジュゴンに及ぼす影響を評価するためにいかなる追加的な情報が必要かを示すこと、どのような情報源から当該情報が入手できるかを明らかにすること、日本政府による環境影響評価がNHPAに基づき国防総省に課せられた義務の履行として十分なものかを明らかにすること、ジュゴンに対する影響の回避緩和のための情報を審査し考慮する権限と責任を持った国防総省係官を特定すること等を命じている。 以上のように、判決は、国防総省に対して、辺野古基地建設が沖縄のジュゴンに与える影響に関する情報収集等を行う義務を課している。そこで、国防総省が当該情報収集の一環として、日本政府に対し一定の要請等を行うことが強く予測される。 そこで、以下質問する。 一 連邦地裁は、前記の判決の中で、国防総省に対し、基地建設の与えるジュゴンへの影響に対する緩和措置・回避措置に関する資料・情報の情報源を明らかにするよう求めている。そこで、アメリカから日本政府に対し、これら情報源の開示の要請はあるか。またその要請に応える用意はあるか。 二 アメリカ政府は、前記の判決に対する考え方を日本政府に伝えているか。伝えているとすれば、それはどのような内容か。 三 前記の判決は、基地建設がジュゴンに与える影響に関する情報や、影響の回避緩和措置に関する情報の明示を要求している。 1 基地建設によるジュゴンに対する被害の実態や、被害の緩和・回避措置についての協議をアメリカ政府は行っているか。 2 当該緩和・回避措置に関し、アメリカ側から日本政府への要請はあるか。要請があるなら、その内容は何か。 四 日本政府は、ジュゴンに対する被害の回避・緩和措置に関連して、今後ジュゴンの保護政策として何を行う予定か。 また、新たな保護政策を予定しているのであれば、その内容はアメリカの保護政策の内容を考慮した上で行われているか。さらに、新たな保護政策はアメリカの保護政策の内容を超えるような内容か。 五 前記四に関連し、日本政府は、アメリカ国内のジュゴンの保護政策として何が行われているのか認識しているか。 右質問する。 |