質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第九二号

広告収入を利用した自動車運送サービス事業に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年四月三日

大久保 勉   


       参議院議長 江田 五月 殿



   広告収入を利用した自動車運送サービス事業に関する質問主意書

 現在、わが国においては、様々な業態のサービスが生まれてきており、従来の捉え方では必ずしも十分に把握できないものも多い。また、新しい業態のサービスの中には、既存の法令の枠組みでどのように位置づけられるのかが判明しづらいものがある。一例として、次のようなビジネス・モデルを想定する。
① サービス提供者は、運転手を雇用し、その所有する普通自動車を公道において走行させる。
② サービス利用者は、希望する場合には、公道において当該自動車を自己の移動のために無料で利用することができる(サービス利用者自身が当該自動車を運転することはない。)。
③ サービス提供者は、当該自動車の中において、映像による広告をサービス利用者に対して無料で提供する。
④ サービス提供者は、広告収入によって事業全体を運営する。
 このようなビジネス・モデルについて、以下のとおり質問する。なお、答弁に際しては「個別具体的に判断する必要があり一概にお答えすることは困難である」等の理由により、答弁を避けることは厳に控え、常識の範囲内で一定の前提を置いた上で答弁されたい。

一 当該サービスは、既存の法令において、どのような規制等の対象となるか。根拠法を明示した上で答弁されたい。

二 当該サービスを所管する官庁はいずれの府省庁になるか。

三 仮に何らかの規制の対象となる場合、当該サービスに次の条件を付すと何らかの違いは生ずるか。

1 サービス提供者が、事業運営のための社屋等を有することなく、サービスの提供に関するすべての運営をウェブサイトのみで行う場合。逆に、そのような社屋等を有する場合。
2 サービス利用者に対して、サービスを受けるための条件として、事前の登録を求める場合。逆に、不特定多数の者に対して、サービスを提供する場合。
 なお、当該登録を有料とする場合(サービス提供の対価としてではなく、登録料として徴収することを想定)、無料とする場合についても答弁されたい。
3 サービス提供者がその所有する普通自動車を公道において自由に走行せしめ、サービス利用者は当該自動車を偶然発見した場合のみ、サービスの提供を依頼できる場合(いわゆる「流し」の状態)。逆に、電話等による予約を可能とし、サービス利用者の依頼により希望する場所にサービス提供者が赴くことを可能とする場合。
4 サービス提供者が特定非営利活動法人となり、特定非営利活動促進法の枠内において運営する場合。

  右質問する。