質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第八九号

ドキュメンタリー映画「靖国」の上映中止に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年四月三日

喜納 昌吉   


       参議院議長 江田 五月 殿



   ドキュメンタリー映画「靖国」の上映中止に関する質問主意書

 中国人映画監督リ・イン氏の作品であるドキュメンタリー「靖国 YASUKUNI」の上映を決めていた映画館五館が抗議を受けたり、嫌がらせを受けるのを恐れたりした結果、相次いで上映中止を決めた。先に、日教組の会場使用を拒み予約を一方的に取り消した「グランドプリンスホテル高輪」の例と、言論や表現の自由が抑圧された点で酷似している。このような事態が続けば、日本の民主主義は先細りとなり危うくなる。北海道でのG8首脳会議の開催を数か月後に控えた政府にとって、このような言論自粛の由々しき事態が相次ぐのは国際的にも恥ずべきことであり、そのような事態の発生を許し続けるのは決して得策ではあるまい。
 そこで、以下、質問する。

一 政府は、今回の「靖国」上映中止をどう受け止めているのか、見解を明らかにされたい。

二 このような事態がまかり通るのは、民主主義が衰退し危機に直面している証左だが、この点で政府の見解を問う。

三 政府に、言論や表現の自由のあらゆる種類の抑圧や規制を取り締まる意思はないか、理由とともに明らかにされたい。

四 小泉・安倍両政権が一連の言論封殺事件などに対し毅然たる態度をとらなかったことによって、映画の上映中止やホテル使用の拒否などの由々しき事態に歯止めがかからなくなりつつあるという印象を受ける。福田政権は毅然たる態度をとるのか否か、明確に答えられたい。

  右質問する。