質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第六五号

分娩取扱助産所の四月以降の存続に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年三月六日

小池 晃   


       参議院議長 江田 五月 殿



   分娩取扱助産所の四月以降の存続に関する質問主意書

 昨年四月から改正医療法十九条が施行され、分娩を取り扱う助産所は、嘱託医師に加え嘱託医療機関を確保しなければ開業できないこととなった。この改正には一年間の経過措置が設けられたが、それも本年三月三十一日をもって終了する。このため現に開業して分娩を取り扱っている助産所であっても、三月三十一日までに嘱託医療機関が確保できなければ助産所を廃業せざるをえない。
 この問題では、身近な地域で安心して産める場所がほしい、満足度の高いお産を実現してきた助産所を守れと全国のお母さんや助産師さん達が三十万筆をこえる請願署名を集め、衆参両院で採択もされている。
 私は、昨年の三月十三日、厚生労働委員会において、良いお産・満足のいくお産を求めるお母さんたちの願いに答えてきた助産所の役割を指摘し、医療法十九条の改正によって、現に適切に運用されている開業助産所が嘱託医療機関が確保できていないことのみをもって廃業に追い込まれることが無いよう政府に求め、当時の柳澤厚生労働大臣は、「医療法十九条の制度があるがために適切に運用されている開業助産所が廃業に追い込まれるといったようなことがないようにしかるべく対応をしてまいりたい」と答弁した。
 この大臣の答弁を受けて厚生労働省や都道府県も嘱託医療機関・医師の確保にむけて努力をしてきているが、経過措置期間の終了を目前にした今日においても嘱託医療機関・医師が確保できていない分娩取扱助産所が残っている。
 そこで、以下質問する。

一 開業している分娩取扱助産所について嘱託医師・医療機関の確保状況について全国及び都道府県毎の状況を明らかにされたい。

二 政府は嘱託医師・医療機関確保のため都道府県担当者会議、医政局長通達を通じて働きかけを行っている。三月三十一日の経過措置期間切れを目前にしており、「医療法十九条の制度があるがために適切に運用されている開業助産所が廃業に追い込まれるといったようなことがないようにしかるべく対応をしてまいりたい」という大臣答弁にてらして、嘱託医師・医療機関が確保できていない助産所を個別に把握して都道府県・医療機関に働きかけることを含めて政府は対策を取るべきと考えるが、見解を明らかにされたい。

三 1 三月三十一日までに嘱託医師・医療機関が確保できなかった場合、現に分娩取扱助産所として開業している助産所はどうなるのか。助産所として助産を行うことができなくなるのか。

2 三月三十一日までに嘱託医師・医療機関が確保できない分娩取扱助産所が残ってしまった場合には、経過措置の延長を含めて分娩取扱助産所として開業が継続できるよう何らかの措置を検討すべきではないか。

四 現段階においても嘱託医療機関・医師の確保ができない分娩取扱助産所が存在している現状にかんがみ、国公立病院、公的医療機関に対して、政府は指導・要請を行うべきではないか。

五 助産所を含む周産期医療ネットワークは十六にとどまっているが、助産所における出産の安全性を高めるためには全ての都道府県で周産期医療ネットワークに助産所が含まれることが重要である。財政措置を含めて、政府は積極的に助産所をネットワークに組み入れるために対策を取るべきと考えるが政府の見解を明らかにされたい。また、助産所における出産の安全性確保の責任を個別の医療機関・医師でなく、周産期医療ネットワークで担っていく方向をめざすべきではないか。

  右質問する。