質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第五六号

アフリカ支援に関しての認識及びTICADⅣへの取組に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年二月二十七日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 江田 五月 殿



   アフリカ支援に関しての認識及びTICADⅣへの取組に関する質問主意書

 本年五月第四回アフリカ開発会議(TICADⅣ)が横浜で開催される。アフリカ開発会議は、日本が議長国として開催する北海道・洞爺湖サミットへも繋がる重要な会議であると認識している。
 そこで、政府のアフリカ支援に関しての認識及びTICADⅣへの取組について質問する。

一 アフリカ支援については、昨年四月の海外経済協力会議において、農業、インフラ、貿易、資源開発など「経済成長を通じた貧困削減」、教育、感染症対策、水など「人間の安全保障の観点からの支援」を重点的に行っていくとされたと承知している。また、平成十九年度国際協力重点方針・地域別重点課題においても同様の政策目標が掲げられているものと承知している。ついては、TICADⅣに向け、平成二十年度のアフリカ支援の方針について示されたい。

二 アフリカ支援については、本年一月の国際協力に関する有識者会議中間報告において、国や地域ごとの特性に考慮した細やかな援助、贈与の拡充などについて提言がなされている。同中間報告に対する政府の認識について示されたい。また、参議院ODA特別委員会においても、昨年六月の提言においてアフリカ支援について貧困削減と経済成長との好循環をもたらす援助、アフリカの持つ可能性を実現できる援助をすべきとしているが、同提言に対する政府の認識についてもあわせて示されたい。

三 TICADⅣ開催に向けた準備状況に関して、現在参加を表明しているアフリカの国数は五十三か国中いくつか。また、未回答の国数はいくつか。国名もあわせて示されたい。

四 参加を表明しているアフリカ各国のうち、首脳が参加する国、閣僚が参加する国、その他要人が参加する国の数及び国名を示されたい。

五 参加について未回答の国、首脳が参加しないと回答した国に対し、今後政府としてどのような働きかけを行い、参加を招請していくのか、政府の認識を示されたい。

六 今回のTICADⅣでは、「元気なアフリカをめざして」とのコンセプトの下、成長の加速化、人間の安全保障の確立、環境・気候変動問題への対処を重点事項としていると承知しているが、具体的にどのような方法で、成果を得ようとしているのか、また、TICADⅣの成果をいかにG8北海道・洞爺湖サミットに結合させていくのか、政府の認識を示されたい。

七 二〇〇五年四月のアジア・アフリカ首脳会議で、当時の首相が国際公約として三年で対アフリカODA倍増を表明し、その後三年間の支援額は二〇〇三年基準の八・四億ドルから二〇〇六年の二十五・九億ドルに達した。このことは評価に値する。しかしながら、当時の首相は支援の中身について「中心を贈与(grant)とする」と言明していながら、実際には贈与額は同八・三億ドルから七・四億ドルへと漸減しており、支援額は倍増したものの、中身において達成したとは言えない。この点に関しての政府の認識及び同公約達成についての評価を示されたい。

八 政府は、TICADⅣ後の新たな対アフリカODAの目標として、ODA三倍増を検討していると聞いているが、支援内容も含め、その認識を明らかにされたい。その際、贈与を中心としていくのか、その形態に関しての認識もあわせて示されたい。

九 いわゆる「資源外交」を目的としてアフリカ諸国への支援が各国から講じられているが、政府はこうした各国の支援策に対してどのような認識を持ち、日本は今後どのような取組をしていくべきと考えるか。援助協調の観点も含めて認識を示されたい。

十 アフリカでは年五パーセントを超す経済成長を達成している「元気な」地域がある一方、スーダン、チャド、ケニア、ジンバブエなど、成長の前提となる安定を欠いている地域もあると承知している。TICADⅣはアフリカ首脳が一堂に会する機会であり、アフリカの平和の構築・安定に取り組む好機でもある。「平和協力国家」日本として、TICADⅣにおいてアフリカの平和構築に向けて貢献すべきであると考えるが、政府としての認識及び取組方針を示されたい。

  右質問する。