質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第五〇号

輸入農産物にかかる農薬使用等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年二月二十一日

平野 達男   


       参議院議長 江田 五月 殿



   輸入農産物にかかる農薬使用等に関する質問主意書

 輸入農産物にかかる農薬(「ポストハーベスト」を含む。以下同じ。)使用などに関連して、以下の通り質問する。

一 国内の農産物生産にかかる農薬の使用規制は、何を目的として行われるのか。

二 農産物生産に使用する農薬について、国内で使用が認められていない農薬で中国において使用が認められている、あるいは、中国において使用禁止されているにもかかわらず中国において現に使用されている農薬にはどのようなものがあるか。その調査方法、判明した農薬の使用目的を含め具体的に示されたい。
 また、その農薬がなぜ国内で使用が認められていないかについて併せて示されたい。

三 国内で使用が認められている農薬で、残留農薬基準が中国と異なる農薬にはどのようなものがあるか。農薬ごとにその相異を示されたい。

四 農産物の輸入業者には、当該輸入農産物の当該輸入先国における生産にかかる使用農薬について、当該農産物の生産者が国内の農薬の種類及び残留基準を遵守していることを確保する義務があるのか。あるとすればその実効性はどのように確認されるのか。ないとすれば、その理由如何。また、その場合、農薬使用という観点から国内農産物と輸入農産物の安全性の程度に差が出てくると思うが、それは誰の責任においてどのように是正されることになるのか。いずれも根拠となる法律名と条文を示しながら説明されたい。

五 輸入農産物にかかる使用農薬の種類及び残留値が、国内の農産物の生産に適用される農薬の種類及び残留基準と整合しているものに限り輸入を認めるべきと考えるが、政府の見解如何。

六 諸外国における農薬の使用、輸出農産物にかかる農薬使用について、国内における使用農薬の種類及び残留基準、規制と実効性との比較を行うとともに、食品供給行程のリスク評価を行うべきと考えるが政府の見解如何。また、あわせて、農産物輸入にあたって、そのリスクをどのように縮減するかについての政府としての基本方針を示すべきではないか。

七 わが国から食品を輸出するにあたり、輸出相手国から食品衛生に関する国内基準とは異なる基準の適用を求められた事例はあるか。ある場合には、その国名、個別の具体的内容、日時、それに対しての政府あるいは食品製造者等の対応について具体的、網羅的に示されたい。

八 食品安全基本法第八条第一項には、食品関連事業者は「食品の安全性を確保するために必要な措置を食品供給行程の各段階において適切に講ずる責務を有する。」と定められている。食品輸入業者にとっての「責務」とは具体的にどのような措置を講ずることを指しているのか。政府はその指導をこれまでどのようにしてきたのか。また、その実効性はどのように確認されているのか。

九 食品安全基本法第十七条に定める「食品の安全性の確保に関する国の内外の情報の収集、整理及び活用その他の必要な措置」に関して

1 中国、東南アジア諸国、米国、EUについて、政府は、国内、国外においてどのような体制で情報の収集、整理及び活用に関する取組を行ってきたか。それぞれの地域、国に関して、具体的にどのようになされているか。収集整理された情報は、どこに蓄積されているか。また、それは公表されているか。
2 EUの取組について、政府はどのような見解をもっているか。
3 中国の取組について、政府はどのような見解をもっているか。

十 輸入餃子にかかる中毒事件で焦点となっている中国の食品製造会社「天洋食品」は、HACCP手法に基づいた衛生管理体制が整備され、衛生管理が適切に実施されていたのか。

十一 鳥インフルエンザ発症国からの鶏肉及び鶏肉加工品の輸入規制に関し、日本、EU、米国間にどのような相異があるか。具体的に示されたい。

十二 EUの米国からの輸入牛肉には、飼料、飼料添加物、動物用の医薬品などに関して、どのような規制がかけられているか。また、それらの規制とわが国の米国からの輸入牛肉にかかる規制とはどのように異なるか。

  右質問する。