質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第三五号

米海兵隊員の女子中学生暴行事件に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年二月十四日

糸数 慶子   


       参議院議長 江田 五月 殿



   米海兵隊員の女子中学生暴行事件に関する質問主意書

 平成二十年二月十日午後十時三十五分ごろ、沖縄県北谷町内の公園路上で米海兵隊の隊員による女子中学生暴行事件が発生、沖縄警察署は同十一日午前、在沖米海兵隊キャンプコートニー所属の二等軍曹を強姦容疑で逮捕した。
 沖縄県における米軍人、軍属による女性暴行事件は本土復帰後も絶たず、平成七年(一九九五年)九月に起きた少女強姦事件、同十三年(二〇〇一年)の在沖海兵隊員による女子高校生への強制わいせつ事件、同十六年(二〇〇四年)の米軍属による女性暴行事件等、同様の事件が相次いでいる。
 女性に対する暴行は、肉体的、精神的暴虐だけではなく人間としての尊厳を破壊するもので断じて許されるものではない。加えて今回もまた、成長期の無抵抗な女子中学生に対する蛮行であり、沖縄県議会をはじめ県内市町村議会では抗議決議を採択、米軍に対する憤りを表明している。
 日米両政府及び在日米軍は同種の凶悪事件が起こるたびに、綱紀粛正と再発防止を口にするが、実効性はなく、福田康夫首相も今回の事件に関し、「今までと同じ取り組みでいいのかどうかも含め、いろんな知恵を出さなければならない。」と述べるなど、実効性のある対策等を求めている。
 本件の重大さと、米軍の綱紀粛正と再発防止策の重要性の観点から以下、質問する。

一 本件を含め、在日米軍の「綱紀粛正」とはいかなることを指すのか、これまで日本政府側に示された内容を明らかにされたい。

二 本件を含め、在日米軍の再発防止策について、これまで日本政府側に示された具体的な内容を明らかにされたい。

三 在日の米海兵隊が平成十六年六月から導入している夜間外出制限策の「リバティー・カード制度」の内容を明らかにされたい。

四 「リバティー・カード制度」は三等軍曹以下に適用されるとしているが、本件の容疑者である二等軍曹を含め、上級の士官、尉官、佐官も容疑者となったケースもあり、これら上官に対する夜間外出制限はあるのか、明らかにされたい。

五 「リバティー・カード制度」の実施状況と、制度に反し、外出した際には、どのような罰則規定があるのか、明らかにされたい。

六 本件は米軍施設外の民間地域に居住する米兵によって引き起こされたが、民間地域に居住する際の資格等、米軍側として条件が付されているのかどうか、示されたい。

七 在沖縄の米軍人、軍属、及びその家族の民間地域居住者の実数、賃貸等の戸数を明らかにされたい。

八 民間地域に居住する米軍人、軍属、及びその家族に対し、日本政府は家賃、光熱水費等の補助を行っているのか、明らかにされたい。

  右質問する。