質問主意書

第169回国会(常会)

質問主意書


質問第九号

いわゆる志布志事件及び氷見事件の元被告人らに対する謝罪等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十年一月二十五日

松野 信夫   


       参議院議長 江田 五月 殿



   いわゆる志布志事件及び氷見事件の元被告人らに対する謝罪等に関する質問主意書

 鹿児島県で発生した公職選挙法違反容疑にかかるいわゆる志布志事件について、平成十九年十月三十日の参議院法務委員会において、同委員会に所属する複数の議員から、こうした大きな無罪事件に関して警察及び検察は無罪とされた被告人らに謝罪すべきであるという趣旨の質問がなされた。私も同様に、「間違ったことをすればやっぱり謝るというのが、これは大人の社会では常識だという話がございました。私も、やはり警察だけではなく検察も、この無罪となった被告人十二人に対してしっかりやはり申し訳なかったということでおわびをする、これが私はまず第一歩として絶対必要だというふうに思います。」と指摘した。これに対して、鳩山邦夫法務大臣は「先ほど千葉景子先生の御質問のときにもお答えしたように、基本的にはそういう大人の態度を取って謝るのは正しいと思っております。」と答弁した。
 近時、志布志事件や、平成十四年に富山県氷見市において発生し、すでに実刑判決が確定していた二件の強姦等事件に関して別の真犯人が存在することが明らかとなった氷見事件などで無罪判決が続いているが、こうした冤罪事件等に対する警察及び検察の捜査のみならず判決後のあり方が課題とされている。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 警察は、いわゆる志布志事件や氷見事件において無罪とされた被告人らに対して謝罪をしたか、政府の承知しているところを明らかにされたい。謝罪がされているのであれば、具体的に、いつ、誰が、どこで(警察署内でなのか、元被告人宅でなのか等)、どのような形でなされたのか(口頭でなのか、文書によるものなのか等)、それぞれ明らかにされたい。

二 検察は、最高検察庁が両事件について反省を含めた検証をして、平成十九年八月付「いわゆる氷見事件及び志布志事件における捜査・公判活動の問題点等について」と題する報告書を公表し、また鳩山法務大臣が委員会において「大人の態度を取って謝るのは正しい」と答弁しているのであるから、謝罪をすべきは当然と考えられる。具体的に、いつ、誰が、どこで、どのような形で元被告人らに謝罪をしたか、それぞれ明らかにされたい。もし、いまだ謝罪をしていないとすれば大臣の答弁を無視したことにもなるが、その理由を明らかにされたい。

  右質問する。