質問主意書

第169回国会（常会）

質問主意書


質問第一号

平城京跡の管理に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

　　平成二十年一月十八日

前川　清成　　　


　　　　　　　参議院議長　江田　五月　殿


　　　平城京跡の管理に関する質問主意書

　世界遺産にも登録された平城京跡は一二〇万平方メートルもの広大な緑地が広がり、訪れる数多くの観光客だけではなく、奈良市民はじめ周辺住民にとっても貴重な憩いの場所になっている。
　しかし、ゴルフの練習をする者など、他人の迷惑を顧みない利用が散見され、よって、利用者の安全を害するおそれがある。
　そこで、以下の通り、政府の対応を質問する。

一　平城京跡の管理責任者は誰か。

二　平城京跡の管理はどのような組織、方法、人員（外部委託を含めて）、予算で実施されているか。

三　平城京跡には何種類かの看板が設置されているが、その設置主体の表示には「奈文研」と「文化庁」がある。何故表示主体が異なるのか。
　また、平城京跡で事故が発生したとき、誰が責任を負うのか。

四　「ゴルフを禁止します」の看板は、いかなる目的で、いかなる効果を意図して、平城宮跡に何ヶ所設置したか。
　また、その効果を実証的に検証しているか。検証しているときは、その結論も明らかにされたい。

五　平城京跡において、現にゴルフあるいはゴルフの練習を行う者が存在し、その結果、他の利用者に危害を加えるおそれがあると認識しているか。
　仮に前記認識を有するとき、その対策として前記看板の設置は有効か。

六　平城京跡でゴルフあるいはゴルフの練習を行う者に対しては、看板の設置以外にはいかなる対策を講じているか。
　仮に具体的な対策を講じている場合、その内容を具体的に答弁されたい（対策の始期、要した費用、人員、対策の頻度等）。

七　「犬の訓練はご遠慮願います」の看板は、いかなる目的で、いかなる効果を意図して、平城宮跡に何ヶ所設置したか。また、その効果はどうか。

八　前記看板にいう「犬の訓練」とは何か。

九　政府はいかなる行為が他の利用者に危害を与えるおそれがあると認識した故に、「犬の訓練」の自粛を求める看板を設置したのか。禁止すべきは、むしろ犬の放し飼いではないか。

十　平城京跡に「奈文研」あるいは「文化庁」が設置した、一定の行為を禁止する趣旨の看板は何種類あるのか。禁止行為種類と、その意図及び効果を明らかにされたい。

十一　平城京跡に設置された様々な看板は、万一事故が生じたときの「言い訳のつもり」に過ぎないのではないか。

十二　平城京跡の利用者の安全を確保するとともに、訪問者、利用者が快適に過ごせるよう、政府はいかなる管理を行っているか。

十三　政府は、平城京跡の利用者の安全を確保するために必要な安全配慮義務を尽くしていると認識しているか。

十四　平城京跡の樹木はいかなる方法、体制、費用で管理しているか。

十五　樹木の根元にまで除草剤を散布し、その結果、桜、松、柳等の立木や生け垣が枯死してしまったとの指摘が周辺住民から寄せられているが、かかる除草剤使用は事実か。
　また、立木、生け垣等の管理に問題はなかったか。

十六　将来、平城京跡が国営公園として整備された場合、現在の管理態様に変化はあるか。とりわけ、訪問者、利用者の安全性、快適さが増すような取り組みがなされるか。

　　右質問する。