質問主意書

第168回国会(臨時会)

答弁書


第百六十八回国会答弁書第一一〇号

内閣参質一六八第一一〇号
  平成二十年一月十八日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員藤末健三君提出「闇の職業安定所」を始めとするインターネット上の違法・有害情報対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出「闇の職業安定所」を始めとするインターネット上の違法・有害情報対策に関する質問に対する答弁書

一から四までについて

 御指摘のインターネットサイトに記載された内容が、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号。以下「法」という。)第四条第五項に規定する「労働者の募集」に該当するかについては、当該内容が、労働者を雇用しようとする者が、自ら又は他人に委託して、労働者となろうとする者に対し、その被用者となることを勧誘するものであるか否かを個々に判断する必要があることから、一概にお答えすることは困難である。

五について

 御指摘の答弁は、法第五条の三の一般的な解釈について述べたものであり、御指摘のインターネットサイトに記載された内容を同条違反と判断したものではない。
 また、インターネット上の書き込みにおいてすべての事項について詳細に条件を明示することが可能であるかどうかについては、書き込みを行うサイトの態様やサイトの管理者による運営の方法を勘案し、個々に判断する必要があるものと考える。

六について

 御指摘の答弁は、違法情報(法令に違反したり、他人の権利(法律上保護される利益を含む。)を侵害したりする情報をいう。)及び有害情報(違法ではないが、公共の安全や秩序等に対する危険を生じさせるおそれのある情報や特定の者の権利や福祉にとって有害と受け止められる情報をいう。)に対する佐藤総務副大臣の見解を述べたものである。
 また、御指摘の事務は、内閣法制局が所掌している。

七について

 お尋ねの「憲法の保障する表現の自由との関係」とは、憲法第二十一条の保障する表現の自由は国民の基本的人権のうちでもとりわけ重要なものであると解されており、これを制約することの可否については、厳格に判断する必要があることを指摘したものと考える。

八について

 憲法第二十一条による表現の自由の保障は、国による事後的な規制にも及ぶものであり、その規制の態様によっては同条に違反する可能性はあり得ると考える。

九について

 御指摘のような義務を課すことが憲法第二十一条に違反するか否かについては、その目的や具体的な措置の内容等を総合的に勘案する必要があり、一概にお答えすることは困難である。

十について

 御指摘の児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)は、その定義を定めた第二条において「児童」、「児童ポルノ」等を明確に規定していること等から、構成要件が不明確な犯罪を規定しているものではなく、憲法違反の法律では決してないものと考える。