質問主意書

第168回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第七九号

内閣参質一六八第七九号
  平成十九年十二月十八日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員福島みずほ君提出ビルマへのODAと民主化の促進に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出ビルマへのODAと民主化の促進に関する再質問に対する答弁書

一について

 政府としては、連邦連帯開発協会が、先の答弁書(平成十九年十一月十六日内閣参質第四七号)一の1及び2についてで述べた基準に該当し、同協会から申請のあった案件がミャンマー国民に直接裨益することを特に勘案して、草の根・人間の安全保障無償資金協力の対象として実施を決定したものである。また、同協会については民主化運動家の弾圧を積極的に行う団体であるとは承知していない。したがって、御指摘のような検討は行っていない。

二の1について

 「人材育成奨学計画」により我が国に留学する者(以下「対象者」という。)は、ミャンマー政府の各省庁が応募者を募集した上で、当該応募者の中から、本邦受入大学による書類選考、語学試験、受入大学関係者による面接試験及び調整委員会による面接試験を経て、最終的な対象者が決定される。

二の2について

 アンケート調査については、ミャンマーに帰国した対象者(以下「帰国生」という。)すべてに対し、おおむね帰国後一年から二年の間に、独立行政法人国際協力機構の現地事務所が当該帰国生にアンケート用紙を送付する形で実施している。その結果についてはミャンマー政府に報告しているものもある。
 今年度のモニタリング調査については、アンケート調査に加え、ミャンマー政府の実施機関である教育省に質問状の送付を行うこと等により実施している。その結果については、報告書が取りまとめられ次第、ミャンマー政府へ報告されることとなる。

二の3について

 アンケート調査では、帰国生の所属先、本邦での研究が所属先での活動に及ぼす影響、帰国後の対日観等を質問項目としている。
 モニタリング調査では、今後対象者に学位を取得させる分野等を調査項目としている。

二の4について

 アンケート調査においては、本邦での研究が所属先での活動において役立っていること、日本に対して良い印象を持つようになったこと等の結果が得られている。
 今年度のモニタリング調査の結果は現在取りまとめ中であるが、平成十六年度に実施した前回のモニタリング調査では、これまで人材育成奨学計画で受入れを行った分野がミャンマーの開発課題に合致していること、帰国生が本邦への留学を通じて学んだ技術や知識がミャンマーの発展のために活用されていること等の結果が得られている。

三の1について

 お尋ねについては、ミャンマーの民主化の推進や人権状況の改善に向けた我が国の働きかけに対するミャンマー政府の対応、ミャンマーの現状に対する他国の動向を注視しながら、日石ミャンマー石油開発株式会社から国際協力銀行又は独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構による新規の支援の求めがあったときには、差し当たり、同意しない旨を述べたものである。

三の2について

 国際協力銀行によると、同行は、融資候補案件について、当該案件の実施が環境や地域社会に与える影響を確認するための指針として定めている「環境社会配慮のための国際協力銀行ガイドライン」に従って、早期の段階で、当該案件の特性等に応じてカテゴリ分類を行い、その結果等を速やかにウェブサイトに公開することとしており、公開後、融資要請の取下げがあった場合を除き、ウェブサイトの掲載は削除しないとのことである。国際協力銀行によると、ウェブサイトに掲載されているミャンマーにおけるガス田の権益取得案件についても、平成十七年四月十四日、カテゴリ分類の結果等を国際協力銀行のウェブサイトに公開し、その後融資要請の取下げがないため、引き続き掲載されているものであるが、当該案件について、現在、融資について具体的に検討している事実はない。
 いずれにせよ、国際協力銀行は、ミャンマーにおける案件について、政府の方針に従い適切に対応するものと承知している。