質問主意書

第168回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第三三号

内閣参質一六八第三三号
  平成十九年十一月二日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員谷博之君提出産総研特許生物寄託センターの不祥事対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員谷博之君提出産総研特許生物寄託センターの不祥事対応に関する質問に対する答弁書

一について

 独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という。)における寄託手数料は、日本国において国際寄託当局が行う特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に基づく微生物の寄託等に関する実施要綱(平成十四年経済産業省告示第二百九十号)第二十四条又は特許微生物寄託等事業実施要綱(平成十四年経済産業省告示第二百九十一号)第二十二条の規定に基づき、実費を勘案して定められたものであるが、今後、経済産業省としては、産総研に対して、特許寄託業務の効率化につながる研究開発成果を積極的に活用していくことなどによる寄託者の負担軽減等についての努力を促してまいりたい。

二及び三について

 特許寄託機関のサービス停止といった不測の事態を想定したリスク分散や、競争原理によるサービスの向上の観点から、特許寄託機関の複数化が望まれていたことから、特許庁において、平成十年度から、海外寄託機関の調査を行うなど、特許寄託機関の複数化の可能性の検討を行ってきたところであるが、生物遺伝資源の収集及び保存等の業務を行う独立行政法人製品評価技術基盤機構(以下「評価機構」という。)において特許寄託業務を併せて行うよう要望もあったことなどから、評価機構を特許寄託機関として指定したものである。

四について

 産総研及び評価機構における寄託手数料は、日本国において国際寄託当局が行う特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約に基づく微生物の寄託等に関する実施要綱第二十四条又は特許微生物寄託等事業実施要綱第二十二条の規定に基づき、それぞれ実費を勘案して定められたものであるが、評価機構においては、生物遺伝資源の収集及び保存等のための施設を有し、これを活用していることなどの事情により、産総研及び評価機構における寄託手数料に差が生じていると考えられる。

五について

 産総研によれば、御指摘の元職員に対する産総研の対応についても、第三者から構成される調査委員会において事実関係を調査するとのことであり、経済産業省としても、その結果を踏まえて適切に対処してまいりたい。

六について

 産総研によれば、御指摘の元職員による主務官庁への情報提供と守秘義務との関係についても、第三者から構成される調査委員会において事実関係を調査するとのことであり、経済産業省としても、その結果を踏まえて適切に対処してまいりたい。

七について

 病原体等の取扱いについては、平成十九年六月一日から、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号。以下「感染症法」という。)に基づき、その管理体制を確立する観点から、感染症法に規定される特定病原体等の所持者等の義務等が設けられたところであるが、御指摘の事例にかんがみ、厚生労働省としては、改めて関係省庁等に対し、感染症法の適正な施行を要請するとともに、必要に応じて、特定病原体等を取り扱う施設に立入検査を行うこととしている。
 また、遺伝子組換え生物等の取扱いについては、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(平成十五年法律第九十七号)に基づく適正な使用等が行われるよう、適切な措置を講じてまいりたい。

八について

 公益通報の外部窓口については、「国の行政機関の通報処理ガイドライン(内部の職員等からの通報)(平成十七年七月十九日関係省庁申合せ)」に基づき、現在、厚生労働省、経済産業省、農林水産省、文部科学省、環境省及び財務省において、それぞれ具体的な外部窓口体制等について検討しているところであり、今後、可能な限り速やかに設置できるよう努力してまいりたい。