質問主意書

第168回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第二○号

内閣参質一六八第二○号
  平成十九年十月十九日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員藤末健三君提出「金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕」の適用状況に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出「金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕」の適用状況に関する質問に対する答弁書

一について

 「金融検査マニュアル」(平成十一年七月一日付け金融監督庁検査部長通達)は、検査官が「検査する際に用いる手引書として位置付けられるもの」である。また、「金融検査マニュアル別冊〔中小企業融資編〕」(平成十四年六月二十八日付け金融庁検査局長通達。以下「マニュアル別冊」という。)は、検査において、債務者が中小・零細企業等の場合には、特にその実情に即したきめ細かな実態把握が必要となることから、その場合の留意点等について記載したものである。
 金融庁としては、検査官に対しては研修の徹底等の方法により、金融機関、一般取引者等に対しては説明会の開催やパンフレットの配布等の方法により、それぞれ、マニュアル別冊の周知徹底を図っている。
 また、平成十八事務年度のオフサイト検査モニター(検査終了後に金融機関に実施するアンケート)において、「マニュアル別冊に基づいた検証が行われたか」という質問に対して、全体の八十一パーセントが「マニュアル別冊に沿った検証であった」又は「おおむねマニュアル別冊に沿った検証であった」と回答する一方で、「あまりマニュアル別冊は活用されなかった」との回答は二パーセントであり、おおむねマニュアル別冊の的確な適用がなされていると認識している。

二について

 金融機関が、中小企業経営実態等の正確な把握や中小企業再生に向けた取組を図ることは、金融機関の信用リスク管理態勢の強化や中小企業金融の円滑化にも資すると考えられることから、金融庁は、金融機関に対して金融検査マニュアル及びマニュアル別冊の周知徹底を図るとともに、本年八月十日に公表した「平成十九検査事務年度検査基本方針及び検査基本計画」においても、「引き続きマニュアル別冊を踏まえ、地域金融機関が中小企業等と密度の高いコミュニケーションを通じて、その経営実態を適切に把握することなどにより、適切な信用リスク管理態勢の構築につながるような自主的かつ持続的な取組に努めているか評価・検証する」こととしている。また、金融検査マニュアルにおいて、金融機関が「金融検査マニュアルを理由に、健全な事業を営む融資先に対する資金供給の拒否や資金回収を行うなどの不適切な取扱いを行っていないか」という点についても、検証項目として記載している。
 これらにより、マニュアル別冊等の趣旨を踏まえた金融機関の取組を的確に推進していると認識している。