質問主意書

第168回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第七号

内閣参質一六八第七号
  平成十九年十月二日
内閣総理大臣 福田 康夫   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員糸数慶子君提出嘉手納基地周辺の騒音の算定方式に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員糸数慶子君提出嘉手納基地周辺の騒音の算定方式に関する質問に対する答弁書

一について

 防衛省においては、嘉手納飛行場及びその周辺の十四か所に航空機騒音自動測定装置を設置し、加重等価継続感覚騒音レベル(以下「WECPNL」という。)を算出しているところである。
 他方、沖縄県が公表している「平成十七年度航空機騒音測定結果(嘉手納飛行場・普天間飛行場・那覇空港)」によれば、沖縄県、沖縄市、うるま市、北谷町及び嘉手納町(以下「沖縄県等」という。)の地方公共団体においては、嘉手納飛行場の周辺の合計十六か所に航空機騒音自動測定装置を設置し、WECPNLを算出しているものと承知している。
 いずれにせよ、航空機騒音自動測定調査については、その実施主体により、測定条件等が異なることから、防衛省が算出したWECPNLと沖縄県等が算出したWECPNLとを一概に比較して評価することは困難であると考えている。

二及び三について

 御指摘の「軍事空港」が具体的に何を指すのか必ずしも明らかではないが、防衛省が嘉手納飛行場及びその周辺において行っている航空機騒音自動測定調査におけるWECPNLの算出については、「航空機騒音に係る環境基準について」(昭和四十八年環境庁告示第百五十四号)に準じて行う方法(以下「告示方式」という。)及び防衛省において当該告示を基に定めている「第一種区域等の指定に関する細部要領について」(平成十六年十一月一日付け施本第千五百八十九号(CFS))に準じて行う方法(以下「細部要領方式」という。)により行っている。
 「告示方式」においては、航空機騒音に係る継続時間及び着陸音の補正を行わず、飛行回数について、時間帯によるいわゆる重み付けを行った上で、一日ごとのWECPNLを算出し、そのすべての値をパワー平均している。
 「細部要領方式」においては、航空機騒音に係る継続時間の補正を行うとともに、滑走路両端付近に設置している二台の航空機騒音自動測定装置による騒音の測定値について、ジェット機の騒音に係る着陸音の補正として二デシベルを加算し、また、飛行回数について、一年間の日別の騒音発生回数に時間帯によるいわゆる重み付けを行った上での一年間の日別の飛行回数のうち、多い順に数えて三十六番目の日のものを用い、WECPNLを算出している。なお、嘉手納飛行場の周辺に設置している航空機騒音自動測定装置による騒音の測定値については、ジェット機の騒音に係る着陸音かどうかを識別することが困難であることから、着陸音の補正を行っていない。

四について

 防衛省が嘉手納飛行場及びその周辺に設置している航空機騒音自動測定装置において、七十デシベル未満の航空機騒音については、WECPNLの算出値への影響がほとんどないものと考えていることから計測していない。