質問主意書

第168回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第四号

内閣参質一六八第四号
  平成十九年九月二十五日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 江田 五月 殿

参議院議員森ゆうこ君提出産科医療における無過失補償制度等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員森ゆうこ君提出産科医療における無過失補償制度等に関する質問に対する答弁書

一について

 産科医不足の問題については、産科医療における訴訟件数の増加に対する懸念がその大きな要因の一つであると認識している。

二について

 平成十八年十一月に自由民主党において取りまとめられた「産科医療における無過失補償制度の枠組みについて」も踏まえ、厚生労働省の委託を受けた財団法人日本医療機能評価機構において、平成十九年二月から産科補償制度の実施に向けた検討が行われているところであり、政府としては、その検討結果も踏まえ、「経済財政改革の基本方針二〇〇七」(平成十九年六月十九日閣議決定)に基づく医療リスクに対する支援体制の整備の一つとして同制度の早期実現を図ることとしている。

三について

 政府としては、医師確保対策の一つとして、産科補償制度の早期実現などを進めているところである。同制度の導入による産科医不足の解消の程度の見通しを示すことは困難であるが、これにより患者の早期救済や医療事故に係る紛争の早期解決等が図られ、訴訟件数の増加に対する懸念の払拭にも資するものと考えている。

四について

 政府としては、産科医療に限らず、第三者機関の設置等により体制を整備して、医療事故の原因究明等を行うことは、医療事故の再発防止とともに医療事故に係る紛争の早期解決等にも資し、医師確保対策の上でも重要であると認識しており、「経済財政改革の基本方針二〇〇七」に基づき、診療行為に係る死因究明制度(医療事故調査会)の構築など、医療リスクに対する支援体制を整備することとしている。