質問主意書

第168回国会(臨時会)

質問主意書


質問第九七号

私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適切な運用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十九年十二月二十日

藤末 健三   


       参議院議長 江田 五月 殿



   私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の適切な運用に関する質問主意書

 グローバル化や情報化に伴い市場における自由競争ルールの確立と企業活動規律の徹底が求められる中で、自由経済の基本法である「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(昭和二十二年法律第五十四号)(以下「本法律」という。)の重要性がますます増大している。本法律は、重要性が増大するとともに、法律の運用の透明化が求められていることから、以下質問する。

一 本法律第九条において、「一般集中規制」として、他の国内の会社の株式を所有することによる「事業支配力が過度に集中することとなる会社」の設立・転化が禁止されている。また、「事業支配力が過度に集中することとなる会社の考え方」(いわゆる「九条ガイドライン」)においては、「事業支配力が過度に集中することとなる会社」の具体的な考え方が示されている。しかしながら、日本市場での規模のみに着目して一律に外形的な規制を課す一般集中規制は、規制改革の基本理念である「事前規制」型から「事後チェック」型への移行には合わないものではないか。また、一般集中規制は「企業結合規制」による個別の規制に統合すべきだと考えるが、それぞれ政府の認識を示されたい。

二 本法律第二条第一項は、「この法律において『事業者』とは、商業、工業、金融業その他の事業を行う者をいう。事業者の利益のためにする行為を行う役員、従業員、代理人その他の者は、次項又は第三章の規定の適用については、これを事業者とみなす。」と定めているが、弁護士は「事業者」に含まれるか否か明らかにされたい。
 また、弁護士が本法律第二条第一項の「事業者」に含まれるとすると、本法律第二条第六項において、「この法律において『不当な取引制限』とは、事業者が、契約、協定その他何らの名義をもつてするかを問わず、他の事業者と共同して対価を決定し、維持し、若しくは引き上げ、又は数量、技術、製品、設備若しくは取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し、又は遂行することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいう。」とされており、弁護士報酬のガイドラインがあることは、本条文に反すると考えるが、政府の認識を示されたい。

  右質問する。