質問主意書

第168回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三二号

病院船派遣による平和的な国際貢献に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十九年十月二十五日

喜納 昌吉   


       参議院議長 江田 五月 殿



   病院船派遣による平和的な国際貢献に関する質問主意書

 ラテンアメリカのキューバは長らく、医師団を海外に派遣し、平和外交で一大得点を稼いできた。近年、キューバが医師団を、石油大国ベネズエラが資金をそれぞれ提供して、緑内障や白内障などで視力を失いかけているラテンアメリカ諸国の貧しい人々の視力を回復させるための「奇蹟の作戦」を展開し、関係諸国の人々から圧倒的な支持を受けている。両国のこのような医療外交に刺激を受けた米国は、本年六月から十月まで海軍病院艦一隻をラテンアメリカ十数箇国に派遣し、多くの貧しい患者に医療手当を施したり外科手術を行ったりして成果を挙げた。
 これらの事実を踏まえて、以下質問する。

一 日本政府が単独で、若しくはNGOなどと協力して、病院船を北方領土のほか、東南アジア、オセアニア、アフリカなどの開発途上諸国に派遣して、平和外交、医療外交を展開する可能性はないか。政府の見解を明らかにされたい。

二 このような平和的な医療外交こそ、「国際貢献」活動の中心的地位を占めるべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。

三 一九九〇年代後半に日本は、中米ホンジュラスのハリケーン被災地で救援活動をした際、キューバ政府の要請に応じて、医薬品などをキューバ派遣医師団に提供した実績があるとされる。その日本のキューバへの協力の事実関係について、提供した物資、その換算金額、期間など細部を含めて明らかにされたい。

四 今後、キューバを含む医療外交実施中の国々から共同で、第三国での医療活動を展開すべく要請を受けた場合、これに応じる用意があるか否かを明らかにされたい。

  右質問する。