質問主意書

第168回国会(臨時会)

質問主意書


質問第八号

被災者生活再建支援法に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成十九年九月二十一日

近藤 正道   


       参議院議長 江田 五月 殿



   被災者生活再建支援法に関する質問主意書

 二〇〇四年十月二十三日、新潟県中越地方を襲った大地震で多数の住宅が損壊し、いまだに多くの住民が生活再建の途上にある。さらに、本年七月十六日、再度、同地方を襲った新潟県中越沖地震でも、多くの住民が、住宅の損壊を始め深刻な被害を受けた。中には、前回と今回の二度にわたって被害を受けた住民も少なくない。阪神大震災や中越地震の生活再建支援の教訓から、これまで各方面から政党政派を超えて、被災者生活再建支援法を改正し、住民の生活再建を援助すべきではないかとの働きかけが行われてきたにもかかわらず、改正は行われてこなかった。現在の被災者生活再建支援制度では、被災者は住宅本体の補修・改築・新築に支援金を使うことはできない。これでは、被災者の生活再建を支援するという法の目的は十分には達せられない。被災者生活再建支援制度における支援金を住宅本体の補修・改築・新築のためにも使えるようにすべきではないか。
 二〇〇五年八月、アメリカの南東部を襲ったハリケーン・カトリーナの災害で、アメリカ政府は、個人の住宅再建費用として、一人当たり十五万ドル(約千五百万円から千八百万円)の支援金支出を決定した。アメリカにはもともと、個人住宅の補修・改築・新築費用に一万ドルの支援金を交付する制度がある。このアメリカの制度について、二〇〇四年十一月二十四日の参議院災害対策特別委員会において村田吉隆内閣府特命担当大臣(防災)は、「邦貨に換算しますと大体百五万円とかそんなことでございまして、私どもが全壊の場合三百万円を、本体には出しませんけれども、支援する仕組みがあり、アメリカの例と比べても、遜色のないものになっている」旨の答弁をしてきた。しかし、ハリケーン・カトリーナ災害でアメリカが決定した支援策は、これまでの支援内容をはるかに超えている。
 日本政府はこれまで、「個人財産の保全は自己責任であり、税金による支援は行うべきではない」との方針を採ってきた。日本とアメリカは、私有財産制という価値観を共有する国であるにもかかわらず、支援金に対する考え方に、なぜこのような開きが生じるのか。政府が、個人住宅の本体への使用に消極的な理由を明らかにされたい。また、支援金の額についても抜本的に見直しをすべきだと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。