質問主意書

第166回国会(常会)

答弁書


答弁書第一七号

内閣参質一六六第一七号
  平成十九年三月二十三日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員藤末健三君提出ODA事業における外務省及びJICAの説明責任に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出ODA事業における外務省及びJICAの説明責任に関する質問に対する答弁書

一について

 独立行政法人国際協力機構(以下「JICA」という。)が保有するプロポーザル評価表(以下「評価表」という。)は、JICAがコンサルタント等にODAの調査業務をプロポーザル(提案)方式で委託する際に、提出されるプロポーザルに対する評価を記載したものであると承知している。その評価の具体的な内容は、プロポーザルを提出したコンサルタントの信用情報、営業上の秘密、業務に従事する個人の情報や優劣等を含むものであり、公開すると当該コンサルタントに不測の損害を与えるおそれがあるとJICAが判断したことから、資料を提供できない旨の回答を行ったものである。
 JICAが保有する概算事業費積算概要資料(以下「概算資料」という。)は、プロジェクトの内容や規模の設計を行う無償資金協力の事前調査(基本設計調査)において、交換公文上の供与限度額の決定及びそれに続く被援助国による入札における入札予定価格の設定の参考とするために当該調査を受託したコンサルタントが作成する資料であると承知している。無償資金協力案件では一般競争入札方式を予定価格を開示せず実施していることから、その具体的な内容は、類似他案件の入札時における予定価格の類推を容易にする要素を含むものであり、公開すると入札の競争性を阻害するおそれがあるとJICAが判断したことから、資料を提供できない旨の回答を行ったものである。

二から四までについて

 外務省は、自身の行う諸活動について適切に国民に説明する責務を有していると認識しており、JICAにおいても同様であると承知している。評価表及び概算資料については、ODAの入札に係る国民への説明責任を果たすとの観点から、一についてで述べたようなおそれを招かない範囲で、いかなる情報の公表の仕方が可能かにつき、再度、JICAに対して検討することを促すこととしたい。