質問主意書

第166回国会(常会)

答弁書


答弁書第一五号

内閣参質一六六第一五号
  平成十九年三月十三日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 扇 千景 殿

参議院議員又市征治君提出漁業権に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員又市征治君提出漁業権に関する質問に対する答弁書

一、三及び四について

 漁業の実態が社会通念上権利と認められる程度にまで成熟した慣習上の利益であると判断されるときは、当該漁業に損害を与える行為をなすに当たり、一般的には補償が行われることが適切であると考えられるが、もとより漁業補償は当事者間の話し合いに委ねられるべき民事上の問題であり、その要否及び内容は、対象となる漁業に係る諸事情に応じて個別具体的に決すべきものである。このため、社会通念上権利と認められる程度にまで成熟した慣習上の利益であるか否かの判断に際し、「共同漁業権の一部放棄前の漁業の実態を含めるべきか否か」について、一律に判断することはできない。

二について

 共同漁業は、定置漁業及び区画漁業と異なり、漁業権又は入漁権に基づかなければ営むことができないものとはされていない(漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第九条)ことから、漁業法上は、漁業協同組合が免許を受けた共同漁業権を関係法令に定められた手続を経て放棄した場合であっても、当該漁業協同組合の組合員を含む関係漁民が当該放棄に係る海域において共同漁業権の内容たる漁業を営むことは、漁業法その他の漁業関係法令に抵触しない限りにおいて可能である。